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August 31, 2008
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カテゴリ:アドベンチャー
 1.タイトルについて
 日本でこそ「ハムナプトラ」のタイトルになっていますが、シリーズ第一作「ハムナプトラ/失われた砂漠の都(1999)」の原題は「The Mummy」です。この映画はホラー映画の古典「ミイラ再生(1932) 原題はThe Mummy」(Mummyとはミイラのこと。念のために)のリメイクでした。“ハムナプトラ”とは、死者の都と呼ばれ、古代エジプトの墓がある場所のこと。そこへ財宝を掘り返しに行き、魔術師イムホテップのミイラを復活させてしまうのです。
 今回の「ハムナプトラ3」は、エジプトから遠く離れ中国の話になっています。じゃあ「ハムナプトラ」はもう全然関係ないじゃねぇか。ごもっとも。それでも、「ハムナプトラ」を使っているのは、そのタイトルでシリーズ化されてしまったためですね。
 しかし、「ハムナプトラ3」の英語タイトルは「The Mummy Tomb of the Dragon Emperor」。原題にThe Mummyとついている以上、このシリーズは、舞台がエジプトやハムナプトラとは無関係な場所であっても、ミイラは必ず登場しなければなりません。今回は、古代中国皇帝のミイラが蘇ります。
 日本の映画配給会社が「“ハムナプトラ”については、死者=ミイラが眠る古代墓地というような意味で使っています」というのであるなら、まあ許そう。

2.ホラー映画から冒険映画へ
 原題が同じ「The Mummy」でも、オリジナルはホラー映画、リメイクは冒険映画と、ジャンルが異なりました。タイトルが同じなだけでなく、リメイクといえる訳は、両映画とも古代エジプトの高僧で魔術師のイムホテップが現代に蘇るのも共通するからです。イムホテップは、1と2に登場。3では、ナイトクラブの店名になって名残をとどめました。かろうじて“ハムナプトラ” とのつながりを感じさせます。(こだわりすぎ?)
 リメイクを冒険映画にしたのは、今更ミイラの登場するホラー映画も芸がないと考えたのでしょうか。死者が蘇るといえば、ゾンビが花盛りですからね。さらに、インディ・ジョーンズの人気にあやかろうとはかっただろうとは、誰でも思い当たること。
けれど、ハムナプトラに登場する冒険家(?)のリックは、インディほどのスター性がありません。そのため、ハムナプトラ・シリーズは、リックとエヴリン、エヴリンの兄ジョナサンがレギュラーとなり、ファミリーで活躍します。
 リックとエヴリンは第2作「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド(2001) 原題はThe Mummy Returns」(ハムナプトラ及びイムホテップ登場)では結婚しており、息子アレックスが加わります。
そして今回の「ハムナプトラ3」も、リック、エヴリン、ジョナサン、アレックスの構成は変わりません。けれど、エヴリン役は、たれ目のレイチェル・ワイズが降板、新たに前歯が大きいマリア・ベロに替わりました。アレックスも、少年から青年に成長したということで、役者が替わっています。これは、見ている方も納得できます。けれど、エヴリンはね、リックとジョナサンが同じ役者なだけに、違和感があります。アカデミー賞をもらうと、娯楽映画には出たくなくなるのでしょうか。

3.CG大軍団
 ハムナプトラ・シリーズの特徴は、VFXです。今回も、ミイラ大軍団と幽霊大軍団が、派手な戦闘場面を繰り広げます。かつて、レイ・ハリーハウゼンのストップモーションによる骸骨戦士を見たときは、その迫力にぶっ飛びました。けれど、CGのミイラと幽霊はなんだか軽いんですよね。だから、物量作戦で、スクリーンを埋め尽くすミイラや幽霊を出さねばならないのでは。

5.日本の怪獣が登場?
 ヒマラヤで、雪男イエティがリックの一行を助けに現れます。東宝特撮映画にも「獣人雪男(1955)」があります。やはり、主人公を助けます。白い毛並みからすると、ウルトラマンと闘った伝説怪獣ウーに近い形状。もしかして、日本の怪獣マニアが・・・。
 さらに、ジェット・リー扮する中国古代の皇帝が、三頭竜に変身します。三頭竜といえば、そう東宝の宇宙怪獣キング・ギドラではありませんか。三頭竜は、キング・ギドラほど巨大感はありませんが、三つの首を交互に上下させながら背中についた大きな羽で飛翔する姿は、じつにキング・ギドラもどき。
 やはり「ハムナプトラ」のスタッフには、日本の怪獣マニアがいるのではないでしょうか。
 
4.そして次回作は
 死体をミイラにする習慣があったのは、エジプト、中国。さすがにこのあたりは、史実に忠実に映画をつくっています。そのほかには、南米アンデスと日本!なのです。
 ということは、このまま「The Mummy」のシリーズが続くとすると、いずれ日本を舞台にした「ハムナプトラ」がつくられるのか!?
 北京オリンピックに沸く2008年が中国ミイラなら、「ハムナプトラ」に日本が登場するのは東京オリンピックを招致したい2016年のことかもしれません。そのころは、リックの息子アレックスのファミリーが主役になっているでしょう。 

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Last updated  August 31, 2008 06:43:31 AM
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