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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:アクション
痛快無比のガンアクション!これはいい。
冒頭、唐突に生のニンジンをまるかじりする外国人のアップが登場しました。ボクは、映画が始まる前のコマーシャルかと思ってしまいました。一時期、映画館でよくやっていましたよね。ニューヨークなどを背景にしたキューピーマヨネーズのコマーシャル。 しかし、本編は始まっていた。このニンジン大好き男こそ、主人公のミスター・スミス(本名不明)なのです。 スミスの前を通過する苦しげな妊婦。そして、それを追う拳銃を携えた怪しげな男。 放っておこうとするのだが、放っておけないスミスは、彼らの後を追います。妊婦を助けようとして、いきなり始まる銃撃戦。その最中に赤ん坊が生まれ、妊婦は流れ弾にあたって死んでしまいます。 生まれたばかりの赤ん坊も、命を狙われている。その子を助けて逃走劇を繰り広げるスミスのお話なのです。 赤ん坊といえば、かつて日本映画の座頭市が乳飲み子を懐に抱えて、華麗なる殺陣を見せてくれました。「座頭市血笑旅(1964)」です。市は、自分とまちがえて殺された母親のから赤ん坊を預かります。そして、赤ん坊と旅をしながら、襲い来る敵やくざ勢を、見事な居合い斬りでバッタバッタとなぎ倒しました。 同じように、スミスも、赤ん坊を抱えて派手なガンファイトを披露してくれたのです。 実際のところスミスは、二度ほど赤ん坊を置き去りにしようとしました。けれど、自分とは縁もゆかりもない、名前さえ知らない妊婦を助け出そうとしたスミスです。やっぱり赤ん坊のことも捨ててはおけません。 スミスは、軍の特殊部隊にいたらしい。だからとびきり強くクールなわけです。 そんなスミスなのですが、ネズミや犬など動物が大好き。動物からも好かれます。それと、自室ではニンジンを栽培しています。はたまた、マナー違反を許しません。高級車に乗ったセレブが、危険な追い越しをしたり、路上にゴミを捨てたりするようなところを見れば、こっぴどくお仕置きをします。カッコよく強いばかりではないのです。ここらあたりに彼の性格は、とっても微笑ましい。 この映画のストーリーには、銃規制法と銃の会社がからむので、とにかくスミスも敵もめったやたらに銃を撃ちまくります。あの手この手のガンアクションとスピーディな展開に乗せられます。 だから、細かいことは全然気になりません。 首が据わっていない生まれたての赤ん坊を小脇に抱きかかえ、ビルからビルへとスミスは飛び移ります。そればかりか、新生児に離乳食を食べさせます。さらに、敵をおびき寄せ、車で激走してきた悪漢が泣き声を上げる赤ん坊を轢き殺したと思ったら、精巧に出来たダミー人形だったとか。いつのまにそんなもの手に入れたんじゃ。 まだまだ楽しいご都合主義の釣瓶打ちです。 映画を見ていて、座頭市とともに思い出したのが、マカロニ・ウエスタンです。劇中のベン、ベンなどと鳴り響くエレキ・ギターから、マカロニの雰囲気を味わいました。そして、スミスは、仕掛け・からくりの名手なのです。自宅では、天井から吊されたひもを引っ張ると、あちこちの電灯がついたりします。その特技を使って、倉庫のいたるところに銃をセットし、スミスがひもを引くと次々に火を噴くように仕掛けました。多勢に無勢、襲いかかる大勢の敵を向こうに回し、一人立ち向かうスミスは、仕掛け銃で弾丸のシャワーを浴びせかけたのです。 ここでボクは「続・荒野の用心棒(1965)」を想起しました。主人公ジャンゴは、敵の大軍勢に対して不敵に一人で立ち向かっていきます。どう闘うつもりなのか。と、彼は、棺桶の中からガトリング式のマシンガンを取り出し、ガガガガガと乱れ撃ち。当時マシンガンは、最新兵器だったのです。まさかそんなものをジャンゴがもっているとは、誰も(観客も)思わない。まさに奇襲攻撃でした。 何よりもマカロニを感じさせたのは、リンチ・シーンです。マカロニ・ウエスタンでは、主人公は必ず敵に捕まりひどいリンチを受けます。「荒野の用心棒(1964)」では、クリント・イーストウッド扮するジョーが凄惨なリンチを受けました。ラモン一味は、「生まれてこなければよかったと思わせてやるぜ」と、ジョーをいたぶり続けました。 「シューテム・アップ」のスミスも、終盤で悪漢に捕まってリンチを受けます。なんと、手の指を一本一本折られてしまいます。 「続・荒野の用心棒」では主人公ジャンゴが、凄腕の拳銃を握れないように手を潰されました。しかし、ジャンゴは、墓標を使っての必殺十字撃ちで居並ぶ敵をなぎ倒しました。 スミスも、あっという奇策で(ここでは明記しません)弾丸を発射し、起死回生の勝利を呼び込みました。 さらに、ラスト、スミスは、娼婦ドンナに預けた赤ん坊を探してレストランにたどり着きます。ちょうどそこに強盗が襲ってきました。スミスは、懐からニンジンを取り出すと、引き金につっこみ、必殺のニンジン撃ち! 「シューテム・アップ」があまりにも衝撃的だったので、見終わった後に、もっとアクション映画が見たくなりました。「ヒットマン(2007)」はなかなかおもしろかったけど、「リボルバー(2005)」はなんじゃこれ?とにかく「シューテム・アップ」は抜群!これから、スミスの着ていたようなコートを買いに行きます。 こちらのブログもどうぞヨロシク。 人気blogランキングに参加中。クリックしてね。ご協力、よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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