|
テーマ:DVD映画鑑賞(14214)
カテゴリ:ヒーロー映画
007フリークとしては、原点回帰といわれるダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドが大いに不満であります。
007といえば、新兵器、美女にモテモテ、敵の大要塞総攻撃が楽しさの黄金基本パターンだと思うのです。それらがなくして、何の007か。その点では、ピアース・ブロスナンのシリーズは、僕の好みにピッタリでした。 「ユア・アイズ・オンリー」のジェームズ・ボンドは、ロジャー・ムーア。ロジャー・ムーア版のシリーズは、概ね黄金基本パターンを踏まえているのですが、僕としては、ユーモア、コミカル路線が気に入りません。娯楽映画として観客へのサービスを考えているのでしょうが、荒唐無稽なことをシリアスに迫るのが僕は好きなのです。 シリアスであることは、映画に説得力をもたせることです。そのためには、しっかりと中味を考えなくてはいけない。ハッハッハと笑って楽しかったね、ですましてしまうと、なんでもありのあいまいな映画になりかねません。 そんなわけでロジャー・ムーア版007はあまり見ないのだけど、ダニエル・クレイグ版よりは007映画らしいだろう、とロードショー以来の「ユア・アイズ・オンリー」との再会となりました。 お話としては、イングランドの秘密情報収集船が敵の攻撃で沈没した。船には、ATAC(ミサイル誘導装置)が積まれていた。ATACが敵の手に渡ると、自国のミサイルが自国を攻撃することになる。そこで007の登場だ。というもの。 ロジャー・ムーア版らしく、コミカルなシーンが登場します。スケート場でアイスホッケー姿の敵に襲われるジェームズ・ボンド。一人一人敵を倒してゴールにたたき込むと、得点板がチーン、チーン、チーンと音を立てて加算されていくのです。 ところが、今回のロジャー・ムーア=ボンドは、なんと美女の誘惑を断ってしまいます。相手は十代と思われるフィギア・スケートの選手。まあ、未成年を相手にしないのは、常識的といえば常識ですが、美女を拒絶すること自体がありえない設定です。 それから、秘密兵器満載のロータス・エスプリが、映画の始めの方でいきなり爆破されます。しかし、途中色を変え、リニューアルしてエスプリは再登場を果たします。けれども、エスプリは顔見せ程度で秘密兵器は一切使われません。シリーズ第10作「私を愛したスパイ(1977)」に初登場したエスプリは、潜水艇になって海中から敵ヘリコプターにミサイルをお見舞いしたのに、今回はそういった活躍はまるでありません。 そして、クライマックスの敵大要塞への総攻撃もなし。 どうなっているんだ? 「ユア・アイズ・オンリー」は、ロジャー・ムーア版においてスパイ・アクションへの原点回帰をめざしたものだったのです。だから、黄金基本パターンがありません。ロジャー・ムーア版は空虚な派手さの乱発だと思っていたのですが、今回見直してみて、違うことに気づいたのでした。その意外性によって楽しく見ることができました。 この映画の一つ前、シリーズ第11作の「ムーンレイカー(1979)」は、007が宇宙に飛び出し光線銃を撃ちまくりました。だから、第12作目の「ユア・アイズ・オンリー」はその前作の反動ですね。 「ムーンレイカー」、僕はおもしろいと思ったのだけれどな、公開当時は。今見ると、どうだろうか。 人気blogランキングに参加中。クリックしてね。ご協力、よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 3, 2009 07:37:46 AM
コメント(0) | コメントを書く
[ヒーロー映画] カテゴリの最新記事
|