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テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:アクション
こんな貴重なDVDが出ているとは知らなかった。「東映特撮ヒーロー THE MOVIE」 以前は朝日ソノラマ社の雑誌「宇宙船」を定期購読していたので、そこから特撮、ヒーロー系のビデオやCDの情報には明るかったけど。 「東映特撮ヒーロー THE MOVIE」は、「キャプテン・ウルトラ(1967)」「仮面の忍者赤影(1969)」を始めとした懐かしいテレビの特撮番組の劇場公開版を集めたDVDだ。 私にとってテレビは、映画の代替品だった。映画館で映像を見るのが本来の姿であり、落ち着けるスタイルなのだ、と思う。テレビ・シリーズからのブロウアップ版(一度テレビで放映されているもの)であっても、簡易映像機のテレビを抜け出して映画館の大スクリーンで特撮ヒーローの活躍を見ると、とてもゴージャスな気分だったね。劇場用のオリジナル版だったらなおさらいい。 その中からここでは「スパイキャッチャーJ3SOS危機一発 (1966)」について語っちゃう。国際謀略叛乱グループと戦う国際秘密警察の日本支部員J3の活躍を描いたスパイ・アクションシリーズだ。 この時期は、「007は殺しの番号(1962)」の大ヒットにより、世界中でスパイ映画がつくられていた。大ブームの中で「スパイキャッチャーJ3」は、テレビの子供向き30分番組として放送されたのだ。同時に雑誌「ぼくら」にもマンガが掲載されていたのも覚えている。 007旋風にまともに飲み込まれた私は、「J3」も見ていた。映画の007に比べると、スケールダウンにはついていけなかったけど。 今回、35年ぶりに見て、まず配役の豪華さには驚いた。J3に川津祐介、ほかに江原真二郎、丹波哲郎、根岸明美、室田日出男、そして城野ゆきも出演していた。城野ゆきは、「キャプテン・ウルトラ」のアカネ隊員として印象深い女優さん。この顔ぶれは、子供番組とは思えない。 さて、本家007は、アクション、秘密兵器、美女にモテモテ等が売り物だ。アクション、秘密兵器などは子供も喜ぶ。美女については、子供番組だから、もちろんラブシーンなどはない。でも、やっぱりJ3も謎の女性とかかわり、微妙な心の通い合いを表現している。子供向けとはいえ、粋な演出をするもんだ。 さて、スパイとは冷静沈着でなければならない。動揺したり、すぐに感情が顔に出たりしてはいけないはず。ところが、J3は、敵から疑いの目を向けられると、大袈裟に警戒の表情をする。疑いが晴れると、はっきりと安堵する。じつに内面を分かりやすく表現している。やっぱり子供向けだから。 本家007の代表的な秘密兵器といえばアストンマーチンなどのボンド・カーだ。J3も特殊装備をしつらえたシボレー・コルベットスティングレイを駆使する。なんとJ3のスティングレイは、エアクラフトで空中に舞い上がるのだ。しかし、この映画の中では、同一場面なのに、カットによって車の色が変わってしまうのだ。 この映画でJ3は、おそらく白のスティングレイに乗っている。しかし、番組の初期の頃は濃い色の付いたスティングレイだった(モノクロ映像だから、何色かは分からない)。多分、特撮場面として撮りだめしておいたフィルムを使い回したため、車の色が変わってしまったのだろう。 さらに、同一場面で拳銃が変わってしまうこともあった。根岸明美のマダムXが潜入者にオートマチック銃を向ける。しかし、発砲するカットではリボルバーを手にしており、撃ち終わったらまたオートマチックを握っているのだ。なんでこんなことになったのか。もっと後になってマダムXの2回目の銃撃シーンがある。そこではリボルバーを使用している。つまり、2回目の発砲カットが1回目の発砲カットと間違って編集されてしまったというわけだ。 こういった不注意が起こったのも、子供向きだからなんだろうか? ところが、本家007の映画でも、ときどきあるんだな。 「007サンダーボール作戦(1965)」では、クライマックスの海中格闘シーンで、ボンドの水中マスクの色がカットによって変わる。それから、よく話題になるのは「007ダイヤモンドは永遠に(1971)」だけど、車の片輪走行でビルの谷間を通り抜けると、出てきたときは傾いている向きが逆になっているシーンがある。 そういえば「闘え!ドラゴン(1974)」というテレビ番組があった。この頃は「燃えよドラゴン(1973)」が大ヒットしてカンフー映画の大ブームが起こっていた。この番組は、ブームを受けて和製ドラゴン倉田保昭が活躍する30分の子供向けカンフー番組だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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