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テーマ:DVD映画鑑賞(14216)
カテゴリ:ヒーロー映画
X-MENの映画シーリーズが公開されるたびに、ぼくは映画館に行った。しかし、3本とも期待に応えてくれるものではなかった。 だからスピンオフ作品である『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』も、似たり寄ったりのできばえだろうと、DVDになってからもずっと放置していた。 今回、スーパーヒーロー贔屓としての、いわば義務感から『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』を見てみた。そうしたら、おもしろいじゃないか。 ウルヴァリンの壮絶な人生、なぜ金属の骨格を得たか、記憶喪失になったかがわかった。 束の間の愛の生活、心のやすらぎがわかった。 異形のスーパーヒーロー、ウルヴァリン。彼のじつにドラマティックな生き様、特殊な能力をもったがゆえに闘わざるを得なかった者の悲しい宿命にエモーションを痛く刺激された。 超能力者が大挙して登場するX-MENのシリーズでは、ウルヴァリンの深い部分まで知ることはできなかった。 例えば、座頭市は、盲目の居合い抜き名人、逆手斬りの使い手でありながら、はぐれ者というところにドラマがある。 眠狂四郎には、円月殺法の強豪剣士というだけではなく、転びバテレンと武士の娘との混血児であるところにドラマがある。 この時代劇ヒーロー二人に加えて、忍びの者霧隠れ才蔵や鞍馬天狗などが寄り集まったら、賑やかな映画にはなるだろう。でも、集団の中で個々の強烈な個性を十分に描くことは難しのじゃないか。例えが古くてすまぬが。 X-MENのような特殊能力をもったスーパーヒーローのチームも確かに楽しい。その場合は、中の一人に焦点をあてて他を完全な脇役にするか、あるいは彼らの友情、団結、葛藤など、チームとしての悲喜交々を描くかしてほしい。そうすれば感情移入がしやすくなると思う。 強い、常人にはない得意技をもっているというだけで、スーパーヒーローが生まれるのではないわけだ。スーパーヒーローには、人を惹きつけるドラマが大切なんだ。 その点を『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』は教えてくれた。 もうひとつ、スーパーヒーローものは、シリーズの旧作がつまらなかったからといって、新作を見過ごしてはならない。スーパーヒーロー贔屓は、あらゆる映画を見るべきだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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