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カテゴリ:ヒーロー映画
「グリーン・ホーネット」を見たのは、小学校5,6年生だったかな。テレビ番組の『バットマン(1966~68)』に、グリーン・ホーネットとカトーがゲスト出演したのだ。 これは、『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピック ON 銀幕(2011)』などのスーパー戦隊VS師リースのようなもの。 アメリカにはまだまだ未知のスーパーヒーローがいるのだと、その奥深さを感じたものだ。しかし、ゲスト出演だからグリーン・ホーネットの実態はよく分からなかった。 近所の友達に、そのときの「グリーン・ホーネット」の話をしたら、なんと漫画版をもっているという。すぐに見せてもらった。当時あった月刊誌「少年」に掲載されていた。 グリーン・ホーネット単独のテレビ番組(1966~1967)も見たと思う。あんまり印象に残っていないのは、夕方などの中途半端な時間にやっていて、しっかり見られなかったからだろう。東京ではゴールデンタイムに放映していたようだが。 いずれにしろ、「グリーン・ホーネット」は、裏「バットマン」という印象がある。 バットマンとロビンの覆面タッグチームに対応するグリーン・ホーネットとカトーの覆面タッグ。 バットマン組はじつにスーパーヒーローらしい明らかに人目を引くコスチュームである。対するグリーン・ホーネット組はマスクはつけているものの、コートと帽子など一般人と変わりない服装だ。 バットマンは、日本でも鳴り物入りで日曜日の6時半から放映されていたのに、グリーン・ホーネットはいつやっているかわからなかった。 そんなわけで、「グリーン・ホーネット」は僕にとって、長い間幻のスーパーヒーローだった。 しかし、予期せぬできごとで、「グリーン・ホーネット」が光があたった。それは、ブルース・リーの登場だった。 『燃えよドラゴン(1973)』一本で世界を席巻したブルース・リー。なんと、そのブルース・リーが、あのグリーン・ホーネットのカトーだったのだ。 ブルース・リーは、『燃えよドラゴン』が大ヒットしたときには、もうこの世の人ではなかった。 一躍スクリーンのヒーローとなったブルース・リーだが、どんなにがんばっても彼の新作はつくることができない。取り急ぎリーの旧作の公開が準備されたが、それらは全部香港映画だ。アメリカから送り出されたのは生前のテレビ番組をつなぎ合わせた映画『ブルース・リーのグリーン・ホーネット(1973)』だった。 このとき、ぼくはようやくヒーロー『グリーン・ホーネット』の活躍を拝むことができたのだ。 ぼくにとって『グリーン・ホーネット』は、スーパーヒーローとブルース・リーという二つの嗜好を満たしてくれる。 だから、『グリーン・ホーネット』の新作映画化をずっと待ち望んでいた。 もちろんブルース・リー本人が出演することはありえない。だが、ブルース・リーの幻影を見ることができるのではないかという期待があった。 「バットマン」の方は、1989年のティム・バートン監督作品から至高の一作『ダークナイト(2008)』まで、充実の6本の映画が制作されている。 それに比べて「グリーン・ホーネット」が映画化されないのは、やはり世間的な認知度の差なのか。 だが、ブルース・リー没後38年、テレビの『グリーン・ホーネット』から数えること44年目にして、大スクリーンに『グリーン・ホーネット』が蘇ったのだ。 この映画、じつに痛快!午前3時まで、熱狂のサッカーアジアカップ決勝戦日本対オーストラリアを見て寝不足だったにもかかわらず、全く睡魔に襲われることもなかった。 グリーン・ホーネットに扮するブリット・リードは小太りのぼんぼんでネクタイ緩めてる。 冴えない男なんだが新聞社の社長の息子で金はある。 金があるから、ヒーローになろうと決意するとなれちゃうわけだ。 でも、カトーという存在が大きい。 カトーはカンフーの使い手だけでなく発明家。実戦でグリーン・ホーネットをカバーするばかりか、ヒーローの新兵器や装備もつくりだす。 ブルース・リーに敬意を払ってか、カトーの設定を変更し、何よりリアルカンフーファイトの場面はなかった。 映画版グリーン・ホーネットとカトーは、じつにアグレッシブ。思いついたことは、臆することなくがんがん実行しちゃう。 ここに来て、バットマンとの違いが明らかに示された。 「バットマン」はメジャー、「グリーン・ホーネット」はマイナー。 「バットマン」はダークヒーローだが、「グリーン・ホーネット」は明るいいてまえヒーロー。 「バットマン」も『バットマン オリジナル・ムービー(1966)』では、能天気ヒーローなんだけどね。 ところで映画を見ていて気づいたことがある。 カトーは、カトーなんだ。つまり、ブリット・リードがグリーン・ホーネットと呼ばれるように名前を使い分けているのではない。 で、仲間内やあるいは映画を見ている観客にはカトーなんだが、映画の中の人々にとってカトーは、グリーン・ホーネットの助手または手下でしかない。つまり、名前はない。 しかし、カトーがいなければグリーン・ホーネットの活躍もない。 それを考えると、「グリーン・ホーネット」とは、個人の名前ではなくチーム名といってもいいのではないか。 バットマンはシングルでもヒーローとして活躍するが、グリーン・ホーネットはタッグチームでないとヒーローとしての役目を果たさないし。 映画『グリーンホーネット』、不満があるとしたら、「グリーン・ホーネットのテーマ」をもう少し聞かせてほしかった。ヒーロー贔屓には、テーマ曲もツボにはまって感涙にむせぶのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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