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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ヒーロー映画
『キック・アス』は、背筋が連続スパークしたよ。 しょぼくれスーパー・ヒーロー「キック・アス」は、超能力も、並外れた知力、体力も、財力もない。並以下の高校生だ。 しかし、悪を憎み、不正を見過ごすことはできない熱い心をもっている。 町の与太者にぶちのめされて、車に轢かれ、死ぬほどの目に会っても、通販のヒーロー・スーツを着ることをやめない。 力があるからスーパー・ヒーローになるんじゃない。スーパー・ヒーロー魂が燃えるから、通販のヒーロー・マスクをかぶるんだ。 正義に燃えるもののキック・アスは虚弱体質である。悪を恐れぬ突撃の結果、血も涙もないバイオレンス・ガイ達を怒らせる。この対決、キック・アスにはまったく勝ち目はない。 そこに登場したのが、ビッグ・ダディとヒット・ガール。二人は、マニアックにヒーローのトレーニングを積んでいる。だから、掛け値なしに強い。へっぽこヒーローのキック・アスはかろうじて救われたのだ。 ギリギリのピンチ、もうダメだとあきらめかけたとき、そこに現れるスーパー・ヒーロー。『キック・アス』は、そのカタルシスを繰り返し味わえる。 圧巻は、なんちゃってヒーロー「キック・アス」の大活躍だ。 ビッグ・ダディとヒット・ガールは、通販で新兵器を購入する。今やネットで何でも買える。 その新兵器、スクリーンに全貌を映さない。木箱の中から一部分だけが見えて、「ガトリング砲が・・・」といった言葉だけが聞こえてくる。 ガトリング砲といえば、マカロニ・ウエスタンの痛快作『続荒野の用心棒』だ。主人公ジャンゴは、ぬかるみの長い道のりを、なぜか棺桶を引きずってやってきた。ジャンゴは襲い来る大集団を向こうに回し、勝ち目がないと思われたその瞬間、棺桶からガトリング砲を取り出すと派手に撃ちまくり一網打尽にした。 その手なのか。 おりしも、ヒット・ガールが敵のアジトに潜入するとき、マカロニ・ウエスタンの音楽が流れる。 父ビッグ・ダディを卑劣な手段で亡き者にされ、ヒット・ガールは、復讐を胸に単身乗り込んできた。 小学生にもかかわらず無類の強さを発揮して、敵を全滅させるまであと一歩のところだったが、さしものヒット・ガールもついに力尽きて大ピンチに陥る。 そのとき、エルビス・プレスリーの「リパブリック讃歌」をバックに、キック・アスが姿を見せた。新兵器を装備して。 ガトリング砲だけじゃなかった。 魂のヒーロー、キック・アスは、ついに悪を叩き潰す強いスーパー・ヒーローへと変身を遂げたのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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