|
テーマ:最近観た映画。(40139)
カテゴリ:ヒーロー映画
「キャプテン・アメリカ」を初めて知ったのは、1960年代後半だった。 1960年代は、じつにエキサイティングだった。 東宝特撮はゴジラ映画など年に2本新作が公開された。 ウルトラQやウルトラマンがテレビに登場した。 大映はガメラと大魔神、松竹ギララ、日活だってガッパがいた。 東映に至っては、『黄金バット(1966)』と『怪竜大決戦(1966)』の2本立てがあったほど。 その頃ぼくは、見た映画のことを頭の中でプレイバックしたり、新作映画に思いを馳せたり、自作の怪獣やヒーローの絵を描いたりしてばかりいた。 授業は頭に入らず、仮病を使ってうちで特撮、ヒーロー系の研究にいそしんだりもしていた。 小学校の高学年だったが、少年雑誌の宣伝広告でアメリカIDEAL社の「キャプテン・アクション」なるものを見た。 「キャプテン・アクション」は、男の子の着せ替え人形といえば分かりやすいかもしれない。 ただ、バービー人形などとちがうのは、各関節が曲げられるようになっていたところだ。なにしろ「キャプテン・アクション」だもんね。(今で言えば「アクションフィギュア」) 女の子は、静的なファッション重視で、どちらかというと見て楽しむ。男の子は動かして楽しむということで、一口に着せ替え人形といってもちょっと趣きが異なるのさ。女の子は着飾った自分を思い描き、男の子は人形にを動かして活躍する自分を想像するのかもしれない。 で、「キャプテン・アクション」がなぜぼくの目に留まったか。 アクション系着せ替え人形の元祖には「G.I.ジョー」がある(最近同名の映画があった)。 これは、のバービーちゃんがファッションモデルとして服を変えるように、米軍兵士G.I.ジョーが歩兵やパイロットなどに姿を変えた。 しかし、「キャプテン・アクション」は、着せ替えのコスチュームが、スーパー・ヒーローのものだったのだ。 つまり、「キャプテン・アクション」は、スーパーマンにもバットマンにも変身できたんだ。 これは、スーパーヒーローマニアとしては放置できない。 当時日本には、スーパーヒーローのフィギアなんてなかった。やっぱりアメリカはちがう。 日本でも、七色仮面、ナショナルキッド、まぼろし探偵などの「仮面アクション」が出たらよかったなあと妄想した。 ぼくは即座に「キャプテン・アクション」購入計画を立てた。誕生日のプレゼントとかお年玉などで、スーパーヒーローを順にコレクションしていこうと思った。 その中に「キャプテン・アメリカ」がいた。 スーパーマン、バットマンはまさにスーパー・ヒーローだった。 しかし、「キャプテン・アメリカ」は知らない。 というか、「キャプテン・アクション」のシリーズには、ファントムとかフラッシュ・ゴードンとか、その時点では未知のヒーローが大半だったけど。 結局、その計画は実行に移されなかった。 エキサイティングな60年代は、ほしいものがいっぱいあった。マルサンの怪獣プラモ、007気分に浸るためのモデルガン、アニメや特撮のソノシート等々。 そう裕福でない家庭では予算不足などの問題も深刻ではあったが、なんといっても地方都市の生活圏のお店には「キャプテン・アクション」なんて置いてなかったのだ。 いずれにしても、その計画の中で「キャプテン・アメリカ」は、順位的に下位であった。知らないということもあるが、あの星条旗をデザインしたコスチュームから、スーパーヒーローとしてのイメージがわきにくかった。 未知のヒーローで、オリジナルのストーリーを知らずとも、その姿形から勝手に妄想をふくらますことはできる。 けど、国旗を纏っていてはねえ。 そんな「キャプテン・アメリカ」について、今回の映画で初めて全体像が分かった。「キャプテン・アクション」以来、少しずつ情報はあったが。 映画としては、飽きないで最後まで見ることができた。 スーパー・ヒーローとして、「キャプテン・アメリカ」はどうなのか。 虚弱体質のスティーブ・ロジャースは、第二次大戦のスーパー・ソルジャー計画で、筋肉隆々に生まれ変わる。 もちろん、強い。プロレスラーの2、3倍は強い。だが、スーパーマンやスパイダーマンのような並外れた超能力をもっているわけではない。 そして、マスクとコスチュームは身につけているが、正体不明という設定ではない。 マスクとコスチュームは、もとはといえばアメリカ軍の宣伝用だ。 そういう点では、現実離れの程度は押さえ気味のスーパーヒーローだろう。 話は一足飛びする。闘いを終結させたキャプテン・アメリカはある事情によって氷漬けになってしまい長い眠りにつく。そして、目覚めたら現代だ。 これは力技だと思った。2012年公開予定の映画『ジ・アベンジャーズ』のためなんだなあ、と思い込んだ。 『ジ・アベンジャーズ』とは、マーベルコミックのスーパーヒーローであるアイアンマン、超人ハルク、マイティ・ソー、そしてキャプテン・アメリカの豪華ドリーム・チームのことだ。 第二次大戦の頃のスーパーヒーローをアベンジャーズに参加させるために、70年ほど眠らせたんだと解釈した。 ところが、調べてみると、オリジナルのコミック版『キャプテン・アメリカ』でも、スティーブ・ロジャースは、氷漬けになっていた。ハハハ。 「キャプテン・アクション」を買うことはできなかったが、のちにぼくはコンバット・ジョーのコスチュームゴジラ(ゴジラ着ぐるみ)を手に入れた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ヒーロー映画] カテゴリの最新記事
|