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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ヒーロー映画
スーパーヒーローを追い求めて幾星霜。 我がライフワークとして、どこまでもいくぜ。 とにかくスーパーヒーローであれば何でも見る。 そんな心意気がなければ踏み込むことのできない、果てしなくマイナーな日陰者スーパーヒーロー映画の世界がある。 『ブラックナイト リターンズ(2009)』 『メタルマン(2008)』 これらについては、ただ映像を見続けるだけの行為がとても辛く、しだいに悲しささえ募ってきた。 これらの映画を強制的に見せられたら、拷問にさえ使えるだろう。 しかし、スーパーヒーロー道を追究するため、難行苦行に耐えた。 こういった映画には共通点がある。 1.予算がかかっていない。 ・撮影用のセットを組ま(め)ず、どこかの資材倉庫や営業事務所が敵のアジトになり、誰かの個人住宅を秘密基地として撮っている。出演者が少ない。 2.セリフが説明に終始する。 ・破壊、災害、時空を超えるなどの派手なシーン、込み入った場面は、映像にしないでできるだけセリフですませようとするから。 3.役者が演技をしていない。 ・セリフ棒読み、ぼーっと棒立ち。無表情。 今回の『Mr.アン・インクレディブル スカラベンジャー』も、およそ日の当たることは考えられない映画だ。 アン・インクレディブルとは、もちろん邦題である。コメディとかパロディではないのに、こうネーミングをした時点でもう腰が引けている。よくいえば謙虚だが、内容的にそうならざるをえない。 このDVDのパッケージには、気になるコピーがあった。 「アメリカン・コミックス最後のヒーロー!遂に日本初登場!」 『ブラックナイト リターンズ』や『メタルマン』は、バットマン、アイアンマンの[ぱちもん]だった。 しかし、スカラベンジャーはきちんと正当な原作に基づいたものなのか。よく版権料が払えたものだ。 インターネットでスカラベンジャーの元ネタについて検索してみると、ありましたね、奇特なサイトが。感謝感激! このサイトから、アメコミといっても、DCコミックやマーベル・コミックなどのメジャー系ばかりでないと認識した。 映画版『Mr.アン・インクレディブル スカラベンジャー』については、これまでの修行の成果かずいぶんと耐性がついてきたのが自分でも分かった。投げ出さなかったから。 一番辛かったのは、エンディング・クレジットの直前に、90%静止したコミック画像が意味不明に連続して映し出されたところだ。絵心ないしろうとかマンガ好きの小学生がかいたような絵なんだけど、それを見て往年のコミックを思い出しノスタルジーに浸る人、胸躍らせる人もいると考えたサービスなのだろうか。 日陰者スーパーヒーロー映画は、すべての映像商品の中でも極北に位置している。 勇気のある者は、そこまで足を運んでみるがいい。どんなに時間をもてあましていたって経験したくない、ある意味貴重な世界がある。 なんでこんな映画が存在してしまうのか。思索の底なし沼あるいはブラックホールに陥ると、簡単には脱出できない。 ちなみにスカラベとは虫のふんころがしのこと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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