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October 14, 2013
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カテゴリ:ヒーロー映画


 スーパーマンは、元祖スーパーヒーローである。
 力道山を日本のプロレスラーの始まりとするならば、スーパーマンは世界のスーパーヒーローの始祖なんだ。

タイツ姿で厚い胸をグッとせり出し腰の両側に手を置いたポーズなんか、スーパーマン(ジョージ・リーヴズ)と力道山は似てると思うぞ。

 力道山を初めて見たのは白黒テレビだったが、スーパーマンの初体験も白黒テレビの小さな画面だった。
 弾よりも速く、力は機関車よりも強く、高いビルディングもひとっ飛び。
 「鳥だ」「飛行機だ」「あっスーパーマン」そうですスーパーマンです。

 テレビの「スーパーマン(ジョージ・リーヴズ版)」の有名なオープニングだ。
 大変心躍るオープニングではあったが、いつも楽しく見ていたかというとそうではない。

 力道山は、テレビ中継のたびに外国人プロレスラーと熱戦を繰り広げた。
 だが、テレビのスーパーマンは、対戦相手にめぐまれなかったというか、肉弾相打つバトルにお目にかかれなかった。
 後年のウルトラマンなどは、怪獣とのバトルがないなんてありえないんだけどね。
 白黒スーパーマンは、難事件、怪事件をスーパーマンがスーパーパワーを使って解決するというような話だったという印象。ごくごくたまぁにロボットなんかが出てくることがあって、そのときはとっても嬉しかったなぁ。

 そのスーパーマンが、大作映画になって帰ってきた。
 クリストファー・リーヴ版『スーパーマン(1978) 』だ。
 この映画を含めてシリーズ4本がつくられたが、これらもなんだかなあ。

 まず『スーパーマン 』、希代のヴィラン=レックス・ルーガーの放ったミサイルがアメリカ西海岸を直撃、被害を食い止めるべくスーパーマンは八面六臂の大活躍。
 だが、やっぱりバトルはない。
 スーパーヒーローは、尋常ではない力で人々を救うところに存在意義がある。だから、大災害に立ち向かうのもいいと思う。けど、スーパーヒーローの強さとは、強大な敵と直接対決することによって見応えを生む、と思うわけ。ところが、残念なことに、レックス・ルーサーは体力勝負のヴィランではないからね。

 この映画では、スーパーマンの飛行シーンに工夫がされて、浮遊感を味わえたし、今見ると、ダム決壊などはCGとは異なるミニュチュアワークの懐かしさがあるんだけどさ。

 つぎ、『スーパーマン2/冒険編(1981)』
 この映画は、スーパーマン対ゾッド将軍チームのハンディキャップ・デスマッチが展開される。スーパーパワー同士の、都市を破壊する勢いのバトルには感激した。
 しかし、あろうことか最後の決着のつけ方が、スーパーマンの頭脳プレー、トリック・プレーなのだ。バトルじゃなくて、文科系的ひっかけで敵を撃退した。
 まあ、アントニオ猪木がかろうじてリングアウトで勝ちを拾ったとしても、ファンは納得しないでしょう。ルールの上で勝つのではなく、実力で勝負を決めたい。卍固めや原爆固めできっちり試合を締めくくってこそ溜飲が下がるというものだ。
 観客は頭のいいスーパーマンじゃなくて、強いスーパーマンを見たいんだ。

 クリストファー・リーヴ版のシリーズでは、『スーパーマン4/最強の敵(1987)』はよかった印象がある。スーパーマンとニュークリアマンの激突があったから。世間的には無視された映画だったらしいが。

 いよいよ今回の『マン・オブ・スティール』だ。
 内容的には、クリストファー・ノーランのバットマン(ダークナイト)を引き継ぐリアル路線となっている。主人公クラーク・ケント=カル・エル=スーパーマンは、自己について深く考え込む。
 ストーリーとしては、クリストファー・リーヴ版の1と2をつなげたような展開だ。レックス・ルーガーは登場しない。後半はスーパーマン対ゾッド将軍チームのハンディキャップ・スーパーパワー・デスマッチが、ビルディングも何もかもウエハースの如く木っ端微塵にしながら、これでもかこれでもかと続く。
 最近は、DCコミックス系のバットマン(スーパーパワーはもたない)の実写映画も都市破壊が派手だが、マーベルコミックスのスーパーヒーロー系は、ハルクもアイアンマンも、そしてアベンジャーズに至って、スーパーパワーの破壊力が脅威の映像を見せる。

(東映系の仮面ライダー、戦隊も、超人パワーの描写を多少なりとも見習ってほしい。東映系は、常人の殴り合いとあんまり変わらないからね)

 負けじと『マン・オブ・スティール』も徹底的な破壊路線を見せつけた感じ。
 ここまでのバトル重視はスーパマン史上初の快挙だ!
 しかし、確かに大迫力なんだが、そればっかりってのもどうかね、一本調子の食傷気味ってやつさ。緩急をつけてくれたらもっとよかったのに。
 むしろ『スーパーマンII/冒険編』の都市破壊バトルの方が、スピードはないし、場面も限られているが、その分希少価値のありがたみを感じるくらい。

 今のプロレスは、空中殺法、必殺技のオンパレードで派手派手な試合展開で、見ているときは目を奪われるが、その割には印象に残らない。
 昔の地味なプロレスでは、もうちょっと大技、必殺技を見たいなあと思いながら、なかなか出してくれなかったが、その一発は重みがあった。

 かつてのアナログ的特撮映像は、手間がかかっただろうし、自由度も低かったと思う。映画がCGに進化(?)してからは、まさにアニメのようなシーンができるようになり、それがアメコミの実写映画化の量産につながっていると思う。それはとても嬉しいことだが、大切なのはテクニックよりもエモーションなんだ。
 バトル・シーンにしたって、スーパーヒーローが不屈の闘志で強敵ヴィランを打ち倒すところに感動がある。

 スーパーマンは、コンクリートの壁もガラスも鉄骨も突き破って、高層ビルディングだってかすり傷一つ負わないで突き抜ける。しかし、彼が子供の頃から今日まで、髪の毛とか爪とかはどうしてたんだろう。地球上のはさみや爪切りでは用をなさないと思う。それらも一緒にクリプトンから送られてきたのか。


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Last updated  October 14, 2013 08:43:55 PM
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