|
カテゴリ:ヒーロー映画
映画は、音楽によってエモーションが高揚する。 テーマ曲ぬきには語れない映画がある。 あの東宝特撮の迫力は、雄大な伊福部昭のマーチがあってこそだ。 海底軍艦が重低音とともに出撃するシーンは、いつ見ても気持ちが奮い立つ。 「ジェームズ・ボンドのテーマ」が鳴らなければ007とはいえない。 『スカイフォール』は新兵器、秘密兵器もボンドガールもない。しかし、懐かしのアストンマーチンが登場し、ボンドとともに疾駆する。そのシーンに「ジェームズ・ボンドのテーマ」がかぶさってきたから、もう感涙ものだ。 「ロッキーのテーマ」も、映画をいっそう引き立てている。 ロッキーの血と汗、不屈のトレーニング、栄光が一曲にすべてイメージされている。燃えるぜ。 だから、シリーズものの映画など、つきものである名曲がどこで高らかに鳴り響くか、期待を込めて見ているわけだ。 ところが、肩すかしをくう場合だってある。 『グリーン・ホーネット』のテーマ曲は、あの『キル・ビル(2003)』でも流れた軽快な曲だ。 子供のころ、テレビの『グリーン・ホーネット』を見てテーマを聞き、胸を躍らせていた。 だから、映画『グリーン・ホーネット(2011)』では、当然グリーン・ホーネットやカトーの活躍とテーマ曲とがツー・プラトンでマイ・ハートを直撃するものと思っていた。 しかし、テーマ曲が鳴ったのは、事件が解決してから、申し訳程度に流れたのだった。 とぉっても残念。 そして、『ローン・レンジャー(2013)』。 ローン・レンジャーといえば、そのテーマ曲は「ウィリアム・テル序曲」。 小学校低学年のとき、ローン・レンジャーのテーマ曲の題名が「ウィリアム・テル序曲」だということをなぜか知っていたようだ。 音楽の授業のとき、先生がレコードをかけてくれることになり、「何か聞きたい曲はないか」と子供達にリクエストを募った。 そのときすかさず「ウィリアム・テル序曲」とこたえた。 まさか鉄人28号とかエイトマンとかのアニメのテーマソングを言うこともできず、音楽の授業にふさわしいのは「ウィリアム・テル序曲」だろうと幼いながらに考えたわけだ。正直言って、ローン・レンジャーのテーマ曲が「ウィリアム・テル序曲」であるという確かな自信があるわけではなかったのだが。 しかし、それは正解だったのだ。先生が「すごい曲を知ってるね」とかなんとか言いながらかけてくれたのは、あのテレビの『ローン・レンジャー』で流れる曲だった。そのとき、こちらはオペラの曲と認識していたわけではまったくないのに、先生は何か勘違いをしたのだろう。 そんな思い出がある。 さて、映画『ローン・レンジャー』だ。 映画の始めの方で、「ウィリアム・テル序曲」が流れる。それほどテンションが上がる場面というのではない。 もしかして、「ウィリアム・テル序曲」はこれで終わりか、との危惧が沸いてきた。 そして、映画自体も、なんとなくぐだぐだして、ヒーロー=ローン・レンジャー及び相棒のトントがとりたてて活躍をするわけでもない。 黒マスクをつけたままの顔を出して穴に埋められたりして、ローン・レンジャーはダメダメヒーローの趣さえ醸し出している。 と、思っていたら、クライマックス、愛馬シルヴァーにまたがったローン・レンジャーが颯爽と登場し、そこから「ウィリアム・テル序曲」が流れ始めた。 そうしたらローン・レンジャーもトントも、ありえないド派手ぇなアクションで、軽快、痛快、大活劇。 最後の方に来て、ヒーロー・アクションとテーマ曲とを十分堪能しました。 ハイヨー、シルヴァー! 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ヒーロー映画] カテゴリの最新記事
|