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May 17, 2015
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 新宿駅で電車を降りて、シネマカリテに向かおうとしたときだった。「GODZILLA」と「怪獣大戦争」と「東宝チャンピオン祭り」のTシャツを着込んだ3人組を見かけた。彼らが向かう先は「メガ・シャークVSグレート・タイタン」だったのか、TOHOシネマズ新宿のゴジラヘッドだったのか。

 新宿シネマカリテの「メガ・シャークVSグレート・タイタン」 13:30の回は、上映前に西田和昭さん(映画プロデューサー)と中野ダンキチさん(お宝映画発掘家)のトークショーが行われた。

 とても楽しいトークショーで心から笑いました。
 以下の発言は正確ではありませんが、雰囲気を伝えたいと思います。
☆中野さん「次回作で、メガ・シャークと闘わせたいのは何ですか」
 西田さん「大魔神がいいですね。大映につくってもらいましょう」
☆西田さん「円谷プロが中国に招かれて怪獣映画を撮影したら、ミニュチュアセットがしっかりきっちり作ってあって、怪獣が踏んづけても壊れなかった」
☆中野さん「この映画も含めてアサイラム社の映画は、様々なヒット作にオマージュが捧げられています」
 西田さん「オマージュとは、日本語に訳すとパクリです」

 パクリ。
 メガ・シャークを追う女戦士が肩を脱臼した。彼女は、ガンっと壁に自らの肩をぶつけてはめこんでしまうという荒療治を見せる。うーん、デジャブが。女戦士はこの荒技を、『リーサル・ウエポン』のメル・ギブソンを見て学んだのか。

 メガ・シャークと最初に闘ったのは、なぜか女性乗組員たちが操縦する潜水艦だった。
 この女性乗組員というのが、レザー(黒ビニール?)スーツにハミチチという戦闘員にはあるまじきファッションなのだ。巨乳の谷間が見えていますという、プレーボーイ誌のグラビアモデルもどきが潜水艦に乗り込んででメガ・シャークに挑むわけですよ。
 
 このお色気強調ファッションは、マーベル・コミックスのブラック・ウィドウ(Black Widow)から来ているんだろうな。
 本家ブラック・ウィドウは、もちろんセクシーさも漂わせているんだが、戦闘コスチュームとして着こなしている。
 それに対してメガ・シャークの女性乗組員は、なんでこんな格好で潜水艦に乗ってるの?と違和感たっぷり。最初は男性の観客へのサービス・カットかと思ったが、闘う女として、ブラック・ウィドウをもってきたと解釈した。
 肩を外した女戦士のような主要登場人物にレザー・ファッションを着せたら、ブラック・ウィドウもどきがまるわかりだ。しかし、ちょい役に着せるところは、アサイラムもなかなかやるじゃないか。

 つぎ、いきます。
 メガ・シャークが湾内に追い込まれる場面がある。そして、湾の入り口が爆破されて、メガ・シャークが閉じ込められてしまう。
 メガ・シャークは湾の外に出られなくなって右往左往するのだが、見ているこっちとしては、「飛び越えられる!」と思うわけだ。だって、メガ・シャークは、ジャンプ一番上空の飛行機を破壊してしまうんだから。その理屈からいったら、湾を塞がれたからといっても、楽々飛び越えて逃げ去ることを期待してしまうのだ。

 でも、飛び越えない。
 多分、映画会社が、あの程度の高さと状況では、飛び越えさせたくないのだろう。今後、本当にジャンプの見せ場が来たら、例えば日本に出現して、太平洋側から本州の中央に連なる山々を越えて日本海にまんまと逃げ失せるというような超技を見せてくれることもあるだろう。メガ・シャークの力が十二分に発揮できる設定まで超ジャンプの高飛びはおあずけだ。

 こういった超B級などと呼ばれるマイナー映画の魅力は、破壊的なところだ。

 破壊的とはどういうことかというと、A級映画、メジャー映画にはできないことをやるということだ。

 この映画では、進撃の巨人似のグレート・タイタンがメガ・シャークを宇宙空間まで投げ飛ばして、人工衛星をクラッシュしてしまうんでっせ。こんなことメジャー映画にできますか。

 A級映画、メジャー映画にはそれなりの格式とか常識とかがあるわけ。
 超B級映画、マイナー映画には、格式、常識はないが、自由がある!
 何ものにも束縛されない自由があるんだ!

 西田さん、中野さんがかかわった『シベリア超特急シリーズ』も、映画の既成概念に囚われず、自由につくられている。

 正しいことよりも楽しいことを。


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Last updated  May 17, 2015 08:47:10 PM
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