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June 14, 2015
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カテゴリ:アクション

 この映画の中では、中国人のエージェント、リー・サンがかっこいい。

 エージェント、と本人は言っているが、いわゆる諜報員とかではない。
 プロの殺し屋だ。

 ある犯罪組織が、それまで使っていた殺し屋集団が不用となり、腕利きの殺し屋リー・サンを雇って壊滅を謀る。
 自家用ジェットで飛来したリー・サンは一言もしゃべらない。
 迎えにきた組織の車に乗るときには、無言のまま態度でドアを開けさせる。
 組織のボスの説明にも、言葉で応えることはない。感情も表さない。

 そして、依頼のあった仕事をこなしていく。
 殺し屋集団を、ひとり、またひとりと消していく。
 それも、距離をとって狙撃するなどという方法ではない。
 殺し屋たちの目の前に姿を現し、素手の格闘で挑む。
 ひとりの殺し屋に対しては、拳銃を奪うがそれは使わず、格闘に持ち込む。
 相手をダウンさせたところで弾倉を抜いて拳銃を返す。
 自分の拳銃もいったん弾倉を抜く。
 弾倉を装填するところから、早撃ちの勝負をしようというのだ。
 もちろん、リー・サンの勝ち。
 相手が複数であっても楽勝だ。

 土俵の鬼といわれた初代の若乃花は、格下の相手には土俵際まで押させて、そこから勝負に出たそうだ。
 リー・サンも、裏稼業の鬼といっていい。

 リー・サンの姿勢には、難しい仕事をひとりでやり遂げる能力があれば、人間関係はいらないという雰囲気が漂っている。
 圧倒的な能力とそれに裏付けられた自信がある。
 そして、自分が殺し屋として力を発揮することを楽しんでいる。

 そんなリー・サンも、初めての強敵と遭遇する。
 それがこの映画の主人公マーシャルだ。
 マーシャルとの1回戦では、棒切れを腹に突き刺すものの攻めきれず、ドローとなる。

 そのあと、犯罪組織のアジトに戻ったリー・サンは、ようやく口を開く。仕事を進めていく上で話す必要性が生じ、初めて言葉を発したのだ。
 マーシャルが非常に手強い相手だったということがわかるというものだ。

 殺し屋集団のマネージャー、セバスチャンは、リー・サンに襲われて「依頼主の倍額払う」と買収にかかる。しかし、リー・サンは「エージェントは、任務の遂行を何より優先する」と応じなかった。

 犯罪組織のボスは、リー・サンを使って密かに殺し屋集団を全滅させようとしたのだが果たせず、集団でマーシャルを襲うことにした。
 そして、リー・サンに「仕事をしたことにしてやるから、香港に帰れ」と言い渡す。だが、リー・サンは、「エージェントは、任務の遂行を何より優先する」とやはり応じなかった。

 そのため、マーシャルを襲撃したリー・サンも、犯罪組織の集団攻撃にさらされる。
 背後から撃たれ、相手に攻め込まれ、あわやというところでリー・サンはマーシャルに救われる。
 ここでリー・サンはマーシャルと共闘するのかと思いきや、そんなことはしない。
 最後まで「エージェントは、任務の遂行を何より優先する」リー・サンはマーシャルに挑み一敗地に塗れるのであった。

 この映画、これでもかというくらい銃撃戦があって心地よかった。
 が、格闘シーンが、ちょっとスローだったかな。型稽古にも見えたぞ。
 日本のアクション監督谷垣健治をニュージーランドに招いてくれ。


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Last updated  June 14, 2015 09:40:10 PM
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