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テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:アクション
ドニー・イェンのアクション映画は、逃さず見たい。 とりわけ日本のアクション監督、谷垣健治と組んだ映画は必ず見たい。 というわけで『スペシャルID 特殊身分』。 この映画はストーリーに魅力があるのではない。 「スペシャルID 特殊身分」というのが潜入捜査官に与えられたものだ。そうすると『インファナル・アフェア(2002)』みたいな、身分を明かせないとか、その逆にバレるんじゃないか、といった悲哀やサスペンスがあるのかと思ったが、それはほとんど立ち消え状態。 ひたすらドニー自身、あるいは谷垣がコーディネートした超弩級のアクション、スタントの連続で見どころであり、そこからは目が離せない。 ストーリーからは、目を離してもダイジョーブ。 まずカー・スタント、これが見応えがあった。 車道じゃないところを、椅子やテーブルを蹴散らし、人を払いのけてぶっ飛ばす、なんてのは序の口なのさ。 カークラッシュも前座だね。 見どころは、女性刑事の活躍だ。 橋の上から、眼下を走るバスに飛び乗る。ミル・マスカラスのフライング・ボディ・アタックのように手を広げて。 バスの屋根を走り抜けて、犯人の車に飛び移る。 犯人が運転席から天井に向けて銃をぶっ放せば、銃弾をよけてドアにぶら下がる。 さらに、銃撃をかいくぐって窓から車に突入だ。 そして、狭い車内で格闘と続く。 女性刑事は、女優さん本人がチャレンジしている部分もあるんだけど、スタント・ウーマンの決死のアクションに見惚れました。 まさにアクション・エンターテインメント、スタント・ウーマンの顔は絶対に見えないが、こんなスリリングなアクションを見せてくれて「ありがとうと」伝えたい。 そうして、ドニー・イェンだ。 はみだし暴走刑事、熱く母を思う息子、そんなキャラクターも、すべてはアクションをするための裏付け理由だ。 この映画のドニー・アクションがとりわけ興味深いのは、総合格闘技によるバトルにある。 対戦相手同士が構えて、パンチ、キックの打撃系で始まり、そして投げ技、固め技の組技系に移行していく。 もうカンフーじゃないんだ。 実際の総合格闘技の試合では勝負が重要な要素である。技や試合内容を見せるより、勝ち負けのかかったバトルを見せる。 だが、映画では、その逆で勝ち負けよりも、見せるための技や内容、展開を工夫した総合格闘技の闘いが見られる。もちろん、総合格闘技の試合では命のやりとりはない。しかし、映画の中では、どんなバトルでも命がけなのだから、そこにはリアルさも軽視してはならない。 ということで、ある意味じつに理想的な総合格闘技が展開するわけだ。 こんなふうにアクションに引き込まれながら映画が進んでいく。 だから、『スペシャルID 特殊身分』は、悲哀もサスペンスもいらない。 もし、ストーリーなりが充実していたら、アクションがわずかでも霞んでしまうぜ。 映画 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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