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テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:マカロニウエスタン
当方、かつてのマカロニウエスタン・ブームの際には、大いにのめり込んだ。 クリント・イーストウッド、フランコ・ネロ、ジュリアーノ・ジェンマは、男としてのヒーローだった。 何に憧れたかといえば、凄腕ガンマンというところだ。 べつに当方が早撃ちを身につけたいというのではない。 ダークな主人公が、卓越した技を備え、むごいリンチを受けても、1人で大勢の悪党に立ち向かって勝利する、そのかっこよさに、少年は憧れたわけだ。 だからといって、その後の人生で何かを極めるということはなくここまできているのだが。 マカロニウエスタンとは、イタリア製西部劇のことだ。 西部劇は、本来アメリカの西部開拓時代の話である。 つまり、日本の時代劇を中国でつくるようなものだ。 そんなふうにイタリアで西部劇をつくったら、これがヒットしちゃったんだねぇ。 そして、1960年代から10年ほどにわたって、マカロニウエスタンは作り続けられた。 まあしかし、マカロニウエスタン・ブームも徐々に凋落を迎える。 そうこうするうちにブルース・リーという新たなヒーローと、カンフー映画が登場したりする。 時を経ても、クリント・イーストウッド、フランコ・ネロ、ジュリアーノ・ジェンマについては、我がヒーローだった。テレビの洋画劇場に、彼らの出演したマカロニウエスタンがかかれば、好んで見た。彼ら3人からはそれほど強烈な魅力を感じた。 だが、後期のマカロニウエスタンは、題名を知っていても見ることがなかった。 今回の『荒野の無頼漢』は、ブームが失速を始める1970年の作である。 このDVDを見るまで、名前も知らなかった。 マカロニウエスタンの全盛期、3大スターが活躍した時期は、ダークヒーロー的な早撃ちガンマンが、むごいリンチを受けても、1人で大勢の悪党に立ち向かって勝利する、というパターンだった。 しかし、長い間、多くの映画をつくっていれば、そのパターンもあきられる。 やがて、マカロニウエスタンに、様々な変種が出てくる。 この『荒野の無頼漢』は、そんな一本だ。 ストーリーは、メキシコ革命が舞台となり、主人公ハレルヤが、革命軍に雇われ、武器購入のために政府軍の宝石を強奪しようと暗躍する、というもの。 主人公の名前がハレルヤというからふざけている。 そしてハレルヤの武器がミシンガンなのだ。 マシンガンと書きまちがえたのではない。 ミシン(ソーイング・マシン)にマシンガンが仕込んであるのだ。 さらに、相棒となるロシア人のコサックは、バラライカという楽器に銃が仕込んである。 このコサック、登場するときは、バラライカを演奏しながら現れる。 人造人間キカイダーは、ギターを奏でながら登場したが。 そういえばアメリカ人とロシア人のコンビというと、テレビ番組の『0011ナポレオン・ソロ(1964〜1968)』(映画『コードネーム U.N.C.L.E.(2015)』)じゃないか。 さらに、アメリカの秘密諜報員である尼僧が宝石争奪戦にかかわってくる。この尼僧は、ガーターの下に小型のモールス信号送信機を隠し持っている。そして、電柱に登って、それを電線に繋いで通信を送り始める。 まあ、これは、マカロニウエスタンにおける『仮面の忍者 赤影(1967〜1968)』だね。 こんなふうに、マカロニウエスタンはなんでもありになっていった。 しかし、ミシンガン、台座の板がついているから、どんと地面に置いたら方向転換が難しい。台座にキャスターがついているわけじゃないからね。 にもかかわらず、ハレルヤがマシンガンを向けると、眼前に広がる敵がどんどん倒れていく。 ミシンガンが正面を向いているにもかかわらず、左右の敵が撃たれていきまんねん。 映画(全般) ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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