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カテゴリ:ドラマCD・モェ的声優さんのお話∂
蟹工船を聴いたよwwwなーんてお気楽に書いてみたけど、ちっともお気楽じゃなかったよ。 もーー。辛すぎ。酷すぎな地獄の鬼CDでした~。 最近、この小説が流行ってるって言うので、読むのもしんどいしなあ。 かといってDVD映画を買うのもなあ・・・・って感じだし。 そう思ってたら、中村悠一、石田彰主演のドラマCDが出るっていうので これは買いだな、って思ったのよ。 昭和初期の文学史上に功績のある名作を、流行りの声優が演じるのって滅多に ないので、こんな貴重な社会派正統ドラマを演じてるところを、アニメ以外で 一度聴いてみたい、と切に願っていた声優の名前だったので 一も二もなく、買ったンだけど。 その内容は、お気楽ドラマCDしか聴いてないわたしにはあまりにも 衝撃的で苦痛を伴う内容でした。 はっきし言って、ドラマ進行30分頃には胃がせり上がってくるような不快感よ。 なんつーか。吐瀉感に襲われる感じ? 物語は、小林多喜二の原作にほぼ忠実ではあるけれど、小林多喜二の蟹工船本編は はっきりとした主人公っていうのが、居ない小説なんだって。 蟹工船に乗り合わせ、そこで奴隷のように扱われる労働者たちの群像に焦点を充てた作風らしいのね。 だけど、商売モノとしては中心となる主人公が不在というのは、ドラマ的に難しいし リスナーが心惹かれないわけよね。 臨場感や劇場感にも欠けるし。。。。 だので、このドラマCDでは原作には登場していない人物ふたりが主人公となって 物語を動かしていきます。 それが中村悠一演じる元炭坑夫の山下と、石田彰演じるその蟹工船に乗り合わせた沢木という男。 小杉十郎太演じる船の監督浅川が、貧しい労働者たちの命を人とも思わぬ冷酷さで 強制労働を強い、働きの悪い労働者を拷問の末死に至らしめる場面は逸脱しています。 が、ほんの100年すらも経ってない日本で現実に起こっていたことだということに 目をそらさず、耳をそらさず、向き合っていくことも必要なのだと思わせる 圧巻さでもあります。 お人好しで家族思いではあるが肝が小さく、地獄のような現実に耐えきれず逃亡したあげく 拷問死させられてしまうという宮口を次賀慎一郎が演じてるのだが。 すみません。 出演声優集合写真の次賀さん本人が、見た目からして宮口っぽくてびっくりしました(爆) 宮口の性格を完全に自分消化して演じきってて、よかったなぁ。 生意気で親には反抗期の少年役を演じていた阿部敦。小柄でやせっぽちで貧しい家の子って いう感じは上手く出てたけど。 私的には、あともう一ふりかけ、反抗期と甘えと無知ゆえの中途半端な年齢を感じさせる演技を期待したかった。 学生役の羽多野渉。ナレーターと漁師役の中井和哉。 ゆうきゃんと石田さん、十郎太さん以外に知ってる声優さんが、このふたりしか出てなかった。 桃ぶどう会社だから、BLCD系で揃えるのかと思ったら配役にはいろいろあるのね。 でも、これはこれでこのキャスト陣で良かったと思う。 特に宮口役の次賀さん。舞台俳優の人らしくて音声ドラマは初めてでいろいろ戸惑った らしいのだがこの人が宮口で良かったと思う。 羽多野くんがね。ほぼ存在感がないの(笑) セリフが全然ないわけじゃなくてそれなりにあるんだけど。 羽多野くんの役が学生さんで、なんで君みたいな学生さんが蟹工船の仕事しに? って感じが、蟹捕り漁の雰囲気にまったくそぐわなくて、いいのよ(爆) これ、狙い?演出?どっちにしても、羽多野くんだけが蟹工船の船内の場に合わない 感じ。浮いてる感じが上手くでていて、いいのよ(笑) そんな彼が、過酷な労働生活のなかで、自分たちの権利を主張しなければなにも変わらない。 と意識が変わっていくラストが、なかなか良かったです。 ガヤがね。全体的にガヤがね。もー。すごいです。 ものすごい悪臭と不衛生と寒さの中の極限的仕事感が、もりもりもりと沸き上がってくるような ガヤが圧巻です。 ゆうきゃんが主役で石田さんが準主役ってことは、強制労働に立ち向かって反旗を翻した主導者に なるわけなのね。 だので、ラストが非常にどうなるかと心配しましたが。 なんとか、なってよかったです。 このふたりが最後まで戦うのかと思ったら、小説の本編通りの進行なので そうゆうわけではないのね・・・・むしろ労働者全員の意識改革を目指してる内容なので 主人公に案件を託す、というわけではないのね。 そうゆう、ラストでした。 主役の山下を演じた中村悠一。 筋肉質の労働者。人の不幸を黙って見過ごせない情に厚く魂も熱い男。権力に立ち向かう潔さ。 ゆうきゃんの声質で、一番わたしが好むキャラ設定が、上手く表現されていて非常に良かったです。 人を助けて殴られた回数は、数知れず。すっごいぼっこぼこに殴られてたよ。ゆうきゃん。 でも、死んだ宮口宛に家族から届いた荷物を、ひとつひとつ取り出して言う時のセリフが ん、もうーー。いいのよ。 そして、もうここには居ない宮口に向かって家族の手紙読む時のセリフ。 『これは、、、、、さっちゃんからの手紙だ』 ここがっっ!!!ここが!!ゆうきゃん、いいいいいいいいいいい~!!! たった一言なんだけど。宮口の子供であるさっちゃんを山下は知ってるから尚更 ぐっと、悲しみがこみ上げて泣きそうになるけど、そこを堪えて わざと明るく、さっちゃんからの手紙だ、っていうのぅおおぅうううおおお。 ゆうきゃん、上手い。 わたしは、ここで一瞬にして号泣してしまいました・・・・ 山下と一緒にクーデターを起こす沢木役の石田彰。 学生役の羽多野きゅんwwとは、また違うんだけどこんな汚い蟹船になんでこんな しゅっとした綺麗な男が?っていう雰囲気はあるのよ。 そして誰ともつるまず一匹狼で、氷のような存在感だったのが。 と、ある出来事で彼の過去に触れるところから、沢木の心が変わっていき 蟹工船で労働者自身の権利の為に戦うリーダーの一人となっていくんだけど。 すぐに熱くなる山下と、対して常に状況を把握して静かに行動をたてる沢木の要素が このドラマの進行上必要なキャラクターだったことが次第にわかってきました。 ドラマCDの最後に、今どきのドラマCDらしくフリートークなるものがちょっとだけはいっています。 ラジオドラマ風に作り上げた社会派ドラマだったので。 わたしてきには、ああ、、、これって。はいって無くてもいいかなって感じだったけど。 ただ。面白すぎたので、面白かったといえば、よかったのかもしれんが。 司会進行がゆうきゃんで。 ゆうきゃんは、時間がないのでトークは短く!とみんなにお願いしてるにも関わらず。 巻きで!!と必死にお願いしてるにも関わらず。 十郎太さんが。。。。いつも通り、どこでもやってるとおりの十郎太システムでマイペースで トークをし続けるので、ゆうきゃんはポイントポイントごとに、反応を返すモノノ ああ、もう時間がない!!って焦ってるのがアリアリと伝わってきてイタイ感じでした(爆) そして、一番最後に石田さんがトークの順番になったんだけど。 石田さん、ラストだからすごくいいことを言ってるにも関わらず、もう時間がないので 石田さん自身が、すごい早口でコメント仕切ったので、可笑しかったです。 でも、きちんと言い終わってるからすごいわ。石田さん(笑) そうそう。ここに。 桃ぶどう会社のキャストインタビューのコメント載ってます。 『蟹工船キャストインタビュー』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.11.09 18:36:36
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