原作:太宰治。
映画『ヴィヨンの妻』
当然のことですが。わたし一人では絶対に観るつもりなんてこれっぽちも
なかった作品です。
ってか。太宰治の小説なんて今まで一度も読んだこと無いし。
興味もないです。
なんか。難しい偉い昔の作家さん?ですよね。
国語で習った名前だし。
はーー、無理ムリムリ。こんな高尚な作品見て面白いのか?
って感じ?じゃないですか。
でも。
娘が太宰治の大ファンなんですよ。
しかも、主演の浅野忠信のファンでもあるの。
渋オヤジ好みの10代娘。
この娘がこれを観る!と言うし。わたしは『カイジ』を観たいと
ごねったのですが。
実はわたし。映画館で一人で映画を観ることができないという不治の病に
オカされてるので。。。
わたしが折れて、一緒に『ヴィヨンの妻』を観ることになったのです。
って。まあ。長い前説でごめんなさい。
で、観ました。
呑ンだくれで死にたがりの小説家と、彼を献身的に身を粉にして
支え続ける妻との、奇妙な夫婦関係が静かに最後まで続いていく物語でした。
一言で書くとコレで終わり。
そう。
こんなあらすじ読むと、たいして面白くもない感じだよね?
そう思いませんか?
わたしも、献身的な妻?(;゜Д゜)ハァ?そんな話のどこがいいのか?
って思って観ましたが。
冒頭から始まる、予想外の展開でびっくり。
え????
太宰治ってこんな、アニメ的な予想外な展開物語を書く作家なんだ?ってびっくり。
真夜中。とあるボロ屋に慌てて帰ってきた夫を、追って一組の夫婦がやってくる。
冒頭から、なにが始まるのかと思って観ていたら。
その夫婦が『先生。よその家の金を盗んで』って、男に向かって言うの。
え?先生って言われてるから先生なんだろうけど。
冒頭からいきなり泥棒してるんだよ。この先生とやら。
しかも、金を盗まれた夫婦とは、とっても懇意の仲らしいのよ。
それなのに、この親しい夫婦の金を盗んで、モノも言わずただ
逃げてきたらしいのよ。
えええ!?なにそれ?
それって極道の極地じゃん!?人のすることじゃないよね。
長年の付き合いのある夫婦を、いきなり押し倒して金を奪って
逃げるなんて。
えええええ?考えられないわ。
しかも、先生って呼ばれる職業の人だよ。
なんで????
って。観てるうちに。先生と呼ばれる男は、追いかけてきた夫婦に
ナイフを振りかざして、刺すぞ!刺すぞ!!って叫びながら逃げていくのよ。
えええええええ???なに?この展開?
静かなおとなしい雰囲気の映画なのに。なに?このびっくりな暴走展開は?
すると。
先生の妻が、慌てて出てきて。
押しとどめて下さいって、お願いするの。
で。
夫婦は、しょうがないのでとりあえずボロ屋に入って話を始めるのね。
これまでのいきさつを聞いた妻が。
ぷぷっと。笑い出すんだよ!!
ぇ?えええええええええええええええ?
今、自分の夫が無銭飲食を三年も続けたあげくに店の売り上げを盗んで逃げて
更にナイフを振りかざして大騒ぎだよ???
信じられないし、こんな夫が自分の夫だったら。
わたしは、もう生きた心地がしないよ。
ってか。もう言葉もなくただただ泣いて謝るだけしかできないよ。
それなのに、この妻は。
夫のしてきたていたらくな仕業を聞いて、あきれ果てて笑い出すのよ。
ええええええええ?????
なに。この面白さ!?
すげー面白いではないの!
静かな物語なのに、ジェットコースターに乗って坂道の三分の一のところを
ゆっくり上って行くような、奇妙で静かな高揚感。
なに?この奇妙な物語とこの奇妙で度胸のいい妻は、いったいなんなの?
って、妻がこれから対応していく様々なことを
期待させていく感じになっていくのよ。
そう。
それでね。
先生と呼ばれる今生の最低夫は。
それでも、何日ぶりかで家に戻っては
『死にたい、怖い、怖い、ああ、どうしよう』と妻に泣いて縋るの。
も。キーーーーーーーーーっっ!!!!
なんだ。このバカ夫。
でも。妻はそんな最低のバカ夫を黙って静かに見守って、自分を
犠牲にしてまで献身愛を貫くの。
キーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!
くーーーーーーーーー!!!!!
えええええええ・・・・・。
と、心が悶えながら最後まで静かに見れる面白い映画です。
オススメ一番(爆)
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.10.23 18:39:51
コメント(0)
|
コメントを書く
[音楽&映画&コスメのお話♪] カテゴリの最新記事
もっと見る