LOUDNESS 高崎 晃が生み出したkiller KG-PRIMEに迫る。
■Killer KG-PRIME Signature 2014 verKILLERはLOUDNESSの高崎 晃氏が自分自身の為に立ち上げたメーカー。聖飢魔ⅡのリードギタリストのLUKE篁やXのベーシストTAIJIも愛用し定評があります。そんなKILLERの中でも代表的なKG-PRIMEはド定番にして王道フラッグシップモデルだと言えます。★SPECBody Selected AshNeck Hard Maple, VU shape, Deep Insert, Wheel Truss RodFingerboard Figured Maple, 22 Frets (#214H)Scale Length 648mmPickup Front:Saymour Duncan SH-2N Jazz Rear: Saymour Duncan TB-14 Custom 5Controls Master Volume, Pickup Select SwitchBridge Floyd Rose OriginalColor Burned Naturalまずはボディ材。重量や質を厳選したセレクテット ライトアッシュの採用。見た目にはバームクーヘン的な年輪が格好良いです。木目をバーナーで焼いて主張させ、ナチュラルブラウンで仕上げた渋いルックスとなっています。攻撃的な形状でありながら上品。この2014verは廃盤。現行PRIMEはアッシュ材が使用されなくなってしまいました。気候変動による木材事情の様です。 ボディトップ面とネック指板面1弦側に向って角度をつけたこだわりのアングルド・ボディ・トップ。この絶妙な角度によって手首への負担を僅かに和らげることを目的に採用しているようです。変形型で奇抜なボディ形状ですが、プレイアビリティにも一切妥協が無く計算尽くされたギターです。個人的に一番目を惹いたのはコチラの杢が浮き出た豪華なメイプル指板。手に入れたPRIMEはネック裏側も杢が入っています(個体差)フレットエンドも美しく丸められ、職人によって丁寧に作られていることがパッと見ただけでも分かります。VUシェイプの採用でローポジション側はV、ハイポジションにつれて徐々にUシェイプに変化しています。これが弾き易く、刻むリフから速弾きまでストレスを感じません。塗装は半艶のグロスラッカー仕上げ。高崎氏の演奏から生まれたネックへのこだわりを随所に感じることができます。裏側はこんな感じ。コンターは無いんですがボディの密着度が高く、ネックにアングルがつけられているので非常に弾き易い形状です。各パーツの装着部はボディに埋め込む形で装着され、演奏性の向上と見た目の高級感に拍車をかけていますね。ネックはフロントピックアップ下までネックエンドが伸びているディープインサート(KILLER特許)で装着。ネック振動をボディに効率良く伝えサスティーンや鳴りなど、生み出されるサウンドに大きく貢献しています。事実、この影響もあって音の立ち上がりとスピード感は驚くべきものがあります。標準装備のピックアップはRear:Saymour Duncan TB-14 Custom 5歪み成分は比較的少なくクランチサウンドが太くなった様なタイトでブライトなサウンド。メイプル指板も相まってストラトにあるような発音と倍音がしっかりあります。音のまとまりや粒立ちはシングルコイルに近い印象です。Front:Saymour Duncan SH-2N Jazz非常にクリアで美しいサウンド。暖かさも持っていてクリアからハイゲインまで潰れずレンジが広い。フロントとリアのハーフトーンも角が取れた感じでありながらクリアで素晴らしいです。生音を犠牲にせずアウトプットしてくれるので響きが良い。クリーンサウンドは美し過ぎます。スイッチ類はかなりシンプルで3WAYのピックアップスイッチとボリュームノブのみ。潔い感じですが、配線類を極力シンプルにしてロスを減らしているようです。ボリュームポットはハイ抜けの良いBOURNS社製500k-Aを採用。他にも、スイッチクラフト製モノラル・ジャックなど信頼性の高いパーツのみを使用。ヘッドトップは攻めた形状。ペグはシャーラー社製M6 MINI。木材加工が非常に丁寧で職人技が光ります。KILLERはESPへOEMで材を加工依頼しKILLERで調整・組込みを行う工程のようです。系列会社というわけではなく、材の加工のみをOEM依頼している・・・ややこしいですね(汗)初代ランダムスターをナビゲーターで製作・担当していた専属クラフトマンと高崎晃が立ち上げたブランドとのことです。LOUDNESSを知る自分としてはハイパワー系だとイメージしてましたが、予想に反して繊細さも兼ね備えていました。ハムバッカータイプのストラトを太くラウドに進化させた様な、楽器として非常に高いレベルで作られています。兎に角にも、見た目も音も良いとなれば素敵過ぎるギターだと思います。※追記実は最近、限定モデルのTHUNDER IN THE EAST に交換しようと考えています。本人はこのピックアップを開発して交換済ですが、何とお値段なんと驚愕の75,000円(税抜)コスパが良いイメージを持っていたダンカン製品としては強気な気がしますね・・・汗しばし悩んでいましたが結局 THUNDER IN THE EAST に変更することにしました。コレクターアイテムで終わってしまうのか。装着後、独断と偏見でレビューを書かせて頂きます。ということで交換しました。ゼブラカラーの見た目まったく変わらず。音は想像よりも変化がありました。当初、搭載されていたSH-14 Custom5と SH-2n JAZZ の突き抜ける様な強烈な抜けとレスポンス、リッチなハーモニクスがありました。ただし比べてしまうと線が細くやや音圧が足りないと言いますか、良くも悪くもピックアップの個性が強く、少し整い過ぎている印象がありました。これが交換したいと思った要因です。対してTHUNDER IN THE EASTは音圧が上がり説得力のあるサウンドを体感出来ました。ザクザク刻み、ピッキングと同時に鋭く立ち上がるレスポンスは同等ながら粒がやや粗く揺らぎがありGibson PAF(ピックアップ)系のテイストをミックスしたかの様な素直で味わいのあるサウンドです。元々 高崎氏が当時、GibsonのPAFを積んでいたという経緯から開発されたということもあり、近いものを感じるのかもしれません。以前よりもボディ材の鳴りを感じることが出来、ロック式ブリッジの金属的な倍音とタイトさも相まって味わい深くもロックな音を奏でます。確かに変形ギターにPAF系を積んだらこんな音になるだろうな・・・と妙に納得してしまいました。出力は当初より下がりますが、有り余るサスティンとパワフルさでそれを感じさせません。ということで THUNDER IN THE EAST(ピックアップ)のレビューでした。他は満足しているので基本このまま愛用していきます。