ワレモノ注意
あれは小学2年の頃だった。 私の班は、校舎の2階の左端のトイレ掃除当番だった。 女子は女子トイレ、男子は男子トイレ…当たり前か。 このトイレを使用する生徒は1,2年だったので、 おっくうな汚物入れの掃除もなく、 適当に水を撒いてブラシで擦ればよいだけだったので、 結構人気のある掃除だった。 だが、その簡単な事さえも面倒になり、 掃除時間の終わり頃に水撒けばええじゃん… との私の意見に皆が賛成した。 そして掃除時間。 私は訳の分らん遊びを思い付いた。 鬼を一人決め、鬼がトイレのドアの前で数を数えている間に、 他の女子が個室に入る。 そしてどの個室に誰が入っているのか当てる。 そんなどうしょうもない遊びに班の女子たちは 大いに盛り上がり、何度も何度もソレに没頭した。 いつの間にかその遊びはクラス全体に広がり、 他の班の女子もトイレ掃除当番の時にソレに興じていた。 そんなある日。 私の班は校舎裏の掃除を終え、 教室に戻る前に友人と共に例のトイレに向かった。 そこでは他の班の子たちが、あのしょうもない遊びに夢中だ。 友『また、やってるよ。』 私『うちら、もう飽きたのにね。』 鬼の子が数を数え終え、静かにトイレのドアを開け 中に入っていった。 私『鬼を脅かすのはどう?』 友『…いいねぇ。』 私と友人は、開いたままのドアからトイレに侵入した。 鬼はソレには気付かず、忍び足で個室の前に向かっている。 どん!!! 私は思い切り鬼の背中を押し、 すぐさま友人と共に教室まで走った。 その数分後。 廊下が騒がしくなった。 何事かと廊下に出てみると、先生が鬼を抱いて、 大慌てで階段を下りていく。 その翌日の朝。 先生から、鬼をしていた子が何者かに背中を押され、 その拍子に彼女は両膝を思い切りトイレの床に打ち、 両膝の皿が割れた事を告げられた。 ヤバイ……。 犯人は不明だという事だが、 私と友人は本当にバレてないのか確かめるべく、 その子の見舞いに出掛けた。 彼女は本当に犯人が分らないようだった。 安心した私たちは、 彼女のベッドの脇にある松葉杖で散々遊んで帰った。 私が考える遊びは、必ず負傷者が出る。 (真ん中の妹はアゴを縫いました。) 今更だが すいませんでした!!