|
カテゴリ:ドラマです。
この冬唯一楽しみにしていたドラマが終わってしまった。 残念だ 分かりやすいヒーローが活躍するわけではないし 強気な女が啖呵を切るようなドラマでよくある展開もない。 (ハ○ンとか花より○子とかごく○んとかショ○ニとか…飽きたよね、この展開) 普通の生活している青年の目を通して市井の日常を淡々と描いていく。 今のテレビでは滅多にお目にかかれるドラマではなかった。 一平とナオミの恋が唐突すぎたし 雪乃ちゃんの津山先生への想いは怖すぎるし 不満が全くないわけではない。 でも 脚本がしっかりし 演出が丁寧で 音楽がはまり 役者が抜群に良い。 初回で感じた良さは最後まで貫かれたことが嬉しかった。 いまどき珍しく役者が揃ったドラマだった。 八千草薫のキュートな女将っぷり 岸本加世子の色々背負い込んだ女の辛さ 高島礼子の花街で戦ってきた女の色気… 個人的には、主演の二宮和也君が本当に良かった。 硫黄島でファンになりかけて 拝啓で完全にファンになっちゃったもんね 主役というと 大半が分かりやすいキャラクターで 自分の色を強く持っていて 作品を 脇の人々を 自分の色に染めていく。 そういうキャラが主人公のドラマは分かりやすくてウケるし、 そういう主役をやった人は人気が出る。 でも、二宮君は違う。 水 のような主役役者だなって。 どんな景色の中にいても馴染む。 雑踏でも、山でも海でも、 隣に前に誰がいても、 そこにいるのが自然に見える役者だなーって。 普通の主役は、助演に引き立てられる。 でも二宮君は、助演を引き立てる。 水鏡のように相手の色を自分の中に映し出す演技をするよね。 一見主役としては地味に見えるかもしれない。 脇の方がキャラが立っているように思われるかもしれない。 でも、そのキャラを際立たせているのが二宮君で、 それでいて、演じているキャラクターにはしっかり芯がある。 物語の中心としてしっかり立っていて、ブレない。 脇のキャラを、周りの風景を自分(水)に溶け込ませて、 その水で作品全体を包む。 分かりやすいキャラクターをやると、 「この役は、この人しか考えられない!」とか言われやすいけど、 分かりやすいキャラクターってのは、 意外と誰でも出来たりするんだよね。 芝居の巧い下手ではない。 キャラクターものの主役は、 巧いより下手な方がインパクトあったりするしね。 その人が最初にやったからそのイメージが付くだけで、 他の人が最初にやっていたら、その人でも成立すると思う。 実際、女王の教室とか天海祐希はハマリ役と言われているけど、 彼女の前にキャスティングされていたと言われる江角マキコでも 多少イメージは変われどきっと成立していたと思う。 しかし二宮君タイプの 出しゃばらず、それでいてちゃんと存在感のある主役って 出来る人はあまり居ないと思う。 初回からずーっとスゲースゲーと思ってたけど、 最終回まで見終わって、やっぱりスゲー俳優だと思った。 作品は選ぶと思う。 上のようなキャラクターものは合わないだろうと思う。 水のように演じてしまうと、キャラクターとしてはインパクトに欠ける。 でも拝啓のような 1人にカメラを当てる作品ではなく、 作品全体にカメラを当てる作品の中の主役としては、 彼の右に出るものはないでしょう。 アタシはそういう作品が好きだから、 そういう作品で再び二宮君が見られたら嬉しい。 倉本聰だから成立したけど、 普通のテレビドラマでは難しいだろうな。 テレビドラマは下手なタレントで用は済むのだから、 映画にきなさい。 きっと銀幕の大スターになれる人材だから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|