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Atletico Tokyo~アトレチコ東京~

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2005.12.26
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カテゴリ:カテゴリ未分類
よく、世間で価格破壊という言葉が言われる。
それまで市場で大体このくらいのレートでと売っていた商品を
ある会社がコストダウンを駆使したりして大安売りすることで、
他の会社の経営にも影響を及ぼすようなあれである(説明になってるのか??)
ただ、そういう価格破壊については別に悪いことでもないと思う。
安売りというのは消費者にとってはありがたいことであるからだ。
ここでは消費者が得をしている。
商売の基本原則に則っているのである。


ところが、サッカー界はここ数年、逆の意味での価格破壊が起こってしまった。
一言で、レートの暴騰。
チェルシーやレアルマドリーなど、一部のクラブが金にモノを言わせて
選手を異常な値段で買ってしまう。

両者が決定的に異なるのは、「それで得をするのが誰なのか?」という点に尽きる。
消費者=サッカーファンがこの高騰で得をするのならそれでいいが、
本当にそうなのだろうか?




チェルシーが毎年100億単位の補強をする。
それで強いチームを作る。チームが圧勝する。
これで得をするのはチェルシーの経営陣とチェルシーファンである。
ところが、他に優勝できなくなるプレミア19チームのファンは、
このことで確実に損をしている。

それまで健全に経営していたクラブも、そのままでは勝てなくなり、
ライバルに勝つために大型補強をせざるを得ない。お金を使わせられる。
結果経営が悪化し、中にはそれでクラブの存続にまで危機が訪れる所もある。
そういったクラブの消費者=ファンはますます損をすることになる。
経営が悪化しなくても、それまで大事にしていた生え抜き選手を切る羽目にもなる。
そして新加入選手にかける金額は、一部のクラブが上げてしまったレートに従わざるを得ない。
ヴェロンなどを連れてきて、生え抜きのニッキー・バットなんかを切ったマンUなんかはまさにその典型。
クラブを愛するコアファンの支持に影響が出るのだが、しかし勝利が得られないと
それはそれでライトファンの支持を失いかねないからやらざるを得ない。

結果、経営が良くても悪くても多くのクラブが危機的状況に陥る。
わずかなクラブが金に走ることで、こんなにも市場がおかしくなってしまうのである。


セリエやプレミア、CLで客が入らなくなっているのはまさにこれが理由であろう。
1つか2つの勝者を除いて、明らかに「しらけて」しまっている。
こういうファンたちは確実に「マネーゲーム」の被害者になっている。
選手を金で集めたクラブも、次第に盛り上がらないリーグで優勝してどこかしらけてしまう。

唯一、チャンピオンズリーグはそういう金満クラブが集うから
その中での盛り上がりを見せることもある。
その他大勢のクラブが被害者となっている傍らで。
だから、今の欧州サッカー市場はCLの上位陣だけ盛り上がり、他の全てのカテゴリーを潰している。
数年前に大問題になったスーパーリーグ構想はなくなっても、
はっきりいって間接的にそんな状態なのである。



日本で見ていたら楽しいかもしれないのだが、
現地で見ているその他多くのファンにとってはこれほどつまらない話もない。
彼らには皆愛着の沸いているクラブがある。
こっちの方が面白いからとファンを鞍替えするわけにもいかない。


結局、価格破壊をしても消費者が得をしないのであれば、それはやるべきではないし、
どこかで法などで取り締まらなければいけないのだと思う。
UEFAはその対策を怠ったばかりに、バブル崩壊で危機的状況を招いてしまった。
現在、UEFAは自国人枠、生え抜き枠を4つずつ義務づける法案を検討中だ。
英断だと思うが、まさに彼らの焦る様子が見える。


マネーゲームは3年先を見るならよかったが、
5年10年と見て、確実にマイナスになっていたのである。




(12.31追記)
今日の日刊スポーツがこんな報道をしている。
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欧州でサッカー選手の給料制限を検討
 英国のスポーツ相は30日、イングランドをはじめ、欧州全域にわたってサッカー選手の給料を制限する規約の導入を検討していることを明らかにした。

 欧州サッカー連盟(UEFA)と連携を取りながら各国に働き掛け、ルールの導入を目指す。同相は「イングランドのサッカー界にはテレビ放映権料で14億ポンド(約2898億円)が流れ込んでいるが、そのほとんどが選手の懐に入っている。給料の制限と代理人のコントロールが必要」と話した。

 同相は欧州スポーツ相会議議長も務めており、今回音頭を取る形となった。既にサラリーキャップ導入などの法案作りに向け、すべての関係者が合意できるよう動き出しているという。「われわれは高額報酬問題に立ち向かい、国境を越えて平等に対応できる方策を確保したい。それはマンチェスター・ユナイテッドに対してもバルセロナに対しても同様だ」と欧州全体の統一規則を目指す構えで、「6月には提案するだろう。それまでには明確な合意ができると思う」と自信を見せた。
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これも逆レートの価格破壊の流れを止めようという話の1つではないかと思う。
以前書いたが、選手の出場可能試合数を決めておくことで、年俸の括りを分かりやすくするといいと思うのだが…





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Last updated  2005.12.27 01:42:44
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