第1戦を欠場していたエースのバラックが復帰して、ようやく今いるメンバーの中でのベストの布陣を組めたドイツ。今日も開始早々から押し込みまくっていたんですが、なぜか決まらない。前半だけでポドルスキが3発、クローゼが2発決められなかったorGKに当ててしまった場面がありましたが、これの連続がいよいよドイツを妙な袋小路に追い込み始めます。
後半になっても展開は変わらず。それでもかなり嫌な流れになってきているのはクリンスマンも分かっていたので、早い時間にニューヒーロー、オドンコールを投入。彼のホームでもあるヴェストファーレンは大歓声に包まれます。しかし彼は突破力はあるものの、典型的な独りよがりタイプ。これがメッシーなら彼がゴールまでお膳立てしてくれるんですが、そんなことはない。結局彼の独りよがりがチャンスの芽を潰す展開が何度も出てきました。
それにしても、第1戦と違ってせっかくバラックが入ったのにも関わらず、ドイツは第1戦より中盤の怖さがありませんでした。一つはバラック。特に後半、バラックは守備的MFの位置でひたすら前線かサイドにミドルパスを供給するだけ。怪我が治っていないのか、運動量があまりなかったのが気になります。これだけを繰り返されると、第1戦で4ゴールを演出した裏にある、数々のミドルシュートがほとんどなくなるわけで(もちろんポーランドも大分シュートコースを消してきましたが)。もう一つの理由が、シュバインシュタイガーの不調でしょう。彼はまだ21歳ということもあり、本当に調子の波が激しいのが玉にキズです(まぁ決勝T1回戦に合わせてくれ)。というわけで、クリンスマンは彼に代えてボロウスキを投入。既にソボレフスキが退場していたこともあり、残り15分で全てのカードを使いきり、何が何でもこの試合を獲りに来ました。
ところが、この辺からポーランドGKボルツの元に神様が光臨したことがいよいよ信憑性を帯びてきました。何だかんだ、セットプレイでもサイドからでも中央からでも決定的チャンスは何度もあったのですが、前半同様、運悪くGKにどんどん当たっていきます。こんな日は大概入らないか、一本の謎の逆カウンターが運悪く入ってしまい、そのまま決勝点になるのが怖いです。
ロスタイム直前にラームからのクロスがクローゼの頭に、そしてバラックの足に当たるのですが、両方ともバー直撃。この時点でさすがに今日は勝ち点1か…と思っていたんですが、神様は90分はいてくれなかったようで…。ロスタイムにオドンコールのクロスをノイビルが走りこんで決勝点。02年のパラグアイ戦に続く後半ロスタイムのノイビル決勝ゴールで締めくくられました。
守備陣にあまり触れてきませんでしたが、前半の途中までサイドをえぐられてピンチは招いていましたが、最後の集中力は前回より上で、きっちりと修正されていたと思います。攻撃も含めて特筆すべきはやはりラーム。彼はスーパースターになる予感すらあります。
ともかく、ドイツは決勝T進出濃厚。明日、エクアドルがコスタリカに2-0以上で勝たなければ首位突破も高確率で約束されます。
グループリーグの第3戦で温存できるか否かは、その後の戦いに大きく影響してきます。今回で言えば、体調もまだそんなに良くない上に、いつも通りイエローを頂いたバラックを第3戦で温存できることはかなり大きいと思われます(ちなみに決勝Tで出場停止は持ち越しですが、イエローは持ち越されません)。やはりドイツは優勝候補に充分入るんじゃないかと思います。