グループリーグが終了して、いよいよ決勝トーナメント。
16チームを見渡したとき、前回からは想像もできないほどの順調な顔ぶれになってしまいました。唯一波乱と言えるのはガーナくらいではないでしょうか。波乱がないことを面白くないと思うファンも中にはいますが(つーか自分がそう。笑)、それでもチーム格差の高い妙な試合が多かったのも事実(32チームになって大会の質が落ちたのはやはり事実だと思います)で、ここからが本当の意味でのW杯と言えるのかもしれません。
イングランドやアルゼンチンが消えるとか、波乱を期待して各グループ外しまくりましたが(苦笑)、GHだけは順位まで的中しました。中でもスイスがG組を1位で突破したことは嬉しかったです。「日本の理想」としてメキシコよりも合っているんじゃないかと思い、今回は欧州予選から数試合見ていましたが、予選でもフランスと同組で2試合とも引き分けた彼らに、この前の引き分けはむしろ不満だったんじゃと思うくらい。
選手は自国開催のEURO2008を見据えて完全に若手中心。あるジャーナリストが「グループ無失点」の事実だけで「守備的なチーム」とか書いてましたが、それは結果だけの話であり、若さがいい方向に出て、32チーム中最も思い切りの良い攻撃をして(どんだけ体力あるんだってくらい両サイド4人の選手が上がりまくるし精度も高い)、相手に気を抜かせない精神はすごいです(日本にはそんな攻撃性を持って欲しかったです)。ウクライナを倒したら次はイタリアになりそうですが、今の勢いならベスト4は充分にありえるんじゃないかと。
で、決勝トーナメント。昨日行われた2試合は対照的。ドイツはいつの間にか優勝を狙えるチームに変貌し、スウェーデンを15分で叩きのめしてしまいました。バックラインにはまだまだ穴がありますが、攻撃陣がいいモチベーション。バラックに意地でも点を取らせようとか色気を出さなければ、あと2,3点くらいは取れたんじゃないかと。スウェーデンはゾーンディフェンスが完全に裏目。人数はいるのに意味をなしていないのが2失点の原因だったんじゃないかと。こういう棒立ち状態は10人になって嫌でも走らざるを得ない状況になってようやく治りましたが、ラーションの自爆(PK失敗)と体力の低下で万事休す。最後まで本調子にならなかったイブラヒモヴィッチにとっては本当に悔いの残る大会だったと思います(でもまだ24歳なんだからこれから!)。
「頭だけ」と言われていたクローゼは、この4年間で足元の技術がありえないくらい向上。いつの間にか、ルーニーやシェフチェンコなどと並ぶ世界最高のストライカーの仲間入りを果たしています(ちなみにマンUに行く可能性アリ)。確か柳沢とタメくらいですが、4年間でこうにも差が出てしまうのかとため息すら出ました。ブンデスどころか欧州でもトップクラスの攻撃力を持つブレーメンに在籍して得点王を獲得。やはりFWは結果を残している選手が最も適任なんでしょうか。
アルゼンチン-メキシコは後半から観戦。アルゼンチンは圧倒的なパスのコンタクトはあるのですが、どうも何かが詰まっている感じ。決勝ゴールもちょっとヤケクソ感がありました。ユース代表から一緒にやっている選手を重視して選んでいますが、その弊害が「中盤にリケルメ以外に変化をつけられる選手がいない」ことにつながってるのでは。アイマールをどう使うのか、でなければ一人で決められるテベスとメッシーを使うのか…。どちらにしろ、ドイツ-アルゼンチンはコンディション的にも今大会最高の戦いが期待できるんじゃないかと思います。