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カテゴリ:ニューヨーク
今夜は、Radio City Music Hall で行われている Cirque De Soleil (シルク・ド・ソレイユ.)の新作 『ZARKANA』(ザーカナ)を見に行きました。 シルク・ド・ソレイユの公演を最初に見たのは、もうかれこれ20年前ぐらい前のこと。 その頃のシルク・ド・ソレイユは、カナダのパフォーマンスグループとして だんだん人気が出始めたところで、 今のように世界各地で同時にいろんなショーをやるほど大きくはなく 確か、一つだけのグループであちこちをまわっていました。 現在は、常設も含め世界中で22のショーが行われているそう。 けして動物を使わないというポリシー ストーリー仕立てでミュージカルのような演出 ライブバンドによる演奏と美しい音楽 独創的で幻想的な衣装や舞台セット ダンスやバレエを取り入れた高度なアクロバット そのコンセプトも舞台もすべて、最初に見た時から魅了されて NYやフィラデルフィアなどの公演をいろいろ見ました。 衣装も照明も演出もアクロバットも、どの作品もクオリティが高いですが 特に音楽は素晴らしい。 他の一見似たようなコンセプトのサーカスもいくつか見たのですが、 どこか物足りなく、やはり、どのサーカスよりシルク・ド・ソレイユが 感動するのは、その音楽だなあと感じるのです。 シルクの場合は、音楽はパフォーマンスのバックだけではなく 舞台の上での一つの演出なので、ミュージシャンたちも 舞台上でパフォーマンスをしながら演奏します。 シルクの中で、素敵な音楽はたくさんあるのですが、例えば Alegr?aの女性ボーカルの美しい旋律や Saltimbancoの家族愛のパフォーマンスの際のアダージオや またQuidamの少女のようなピュアなボーカルや Varekaiの空を飛ぶ天使のパフォーマンスの時の女性ボーカルとバイオリンや Corteoのタイトワイヤーアクト(綱渡り)でのスパニッシュギターなど その映像とともに、深く心に残っています。 また早くから世界各地の民族楽器や珍しい楽器を演奏に取り入れ 民謡やワールドミュージックからロックやジャズ、ラテン、クラシック、 オペラまで様々な音楽を統合しているのも斬新。 Corteoの中では、たくさんのクリスタルボウルが使われていて 幻想的な照明の中で鳴らされていました。 サーカスの舞台で、クリスタルボウルを使うなんて (残念ながら、会場ではクリスタルボウル自体の音は ほとんど聴こえなかったのですが) また、シルク・ド・ソレイユは、特にチェロやバイオリンなどの弦楽器や アコーディオンなどを中心に創られた曲が多く、 その切ないほど美しい旋律には、毎回泣かされます。 サーカスと言えばピエロが定番ですが これまで見たシルクドゥソレイルの中で印象に残っているのが 1990~1991年に公演された Nouvelle Exp?rience のピエロ。 こちらはその映像 このピエロを演じているのが、David Shinerというアクター&クラウン。 彼のセンスは最高♪ 毎回、観客の中から舞台にあげて即興でパフォーマンスをやるのですが 舞台にあがった観客がどんな反応をしても それに合わせて笑いを生み出す即興性と洗練されたパントマイムには感動で、 このショーだけで3回見に行ったのを覚えています。 (ちなみにDavid Shinerは後にシルクドソレイルのKOOZAのディレクターになっています) そして、シルク・ド・ソレイユの多くの作品の共通したテーマとしてあるのは 人が空を自由に飛ぶことの夢。 羽を持って自由に空を飛べたなら、、 そんな人間の永遠の夢を この2時間のショーの中で叶えてくれて 美しいパフォーマンスと舞台の中で まるで自分も空を飛んでいるような気持ちになるのです。 ということで、前置きが長くなってしまいましたが 今回の新作『ZARKANA』 実は、前回、このNYのラジオシティミュージックホールで公演されたWintukが、 正直、それまでのシルク・ド・ソレイユの作品と比較すると今一つで あまり感動しなかったので、今回はどうかしら?と思っていました。 昔、シルク・ド・ソレイユのNYでの公演の時は、 バッテリーパークにテントが張られて そこで公演されていたのですが、テントでは舞台が中央にあって 観客席はそれをほぼ360度、取り囲む形で作られていて 舞台と観客席がとても近いのです。 中ぐらいのプライスレンジのチケットであっても かなり近くで見れたので、臨場感がありました。 でも、ラジオシティは、広すぎて 1階のオーケストラ席であっても後ろの方だと、かなり舞台は遠く離れてしまいます。 でも、今回は期待を裏切らず、素晴らしい舞台でした♪ 特に舞台セット このラジオシティの広さだからこそ実現できる壮大なセットで、 美しく幻想的な空間を生み出していました。 私は今回は2階席の一番前の席だったのですが、距離は全く気にならず。 ビデオでの映像をスクリーンに映し出し、宇宙空間や 摩訶不思議な世界を演出しています。 今回の音楽はロックオペラという感じで、ブロードウエイのミュージカル的な 音楽だったので、私個人の好みではなかったのですが その迫力(特に迫力の女性ボーカル)は息をのみます。 また、グランドピアノ2台の連弾の演奏と 美しいパフォーマンスを合わせる演出も、斬新。 そして、今回、とてもうれしかったのがSand Painting(砂絵) 以前、ウクライナのアーティストKseniya Simonova の作品を見て感動して以来、Sand Paintingに興味を持っていたのですが このショーには、チャイニーズのアーティストErika Chenが出ています。 こちらは彼女のシルクドソレイルのオーディションの時の映像。 ショーの中に、アクロバットではない、こういうパフォーマンスを取り入れるところが シルクドソレイルがサーカスの域を遥かに越えている理由だなあと。 アーティスティックで独創的で 音楽、ダンスやバレエ、アクロバット、コメディやパントマイム、映像、アート、 様々な要素を含んだ総合芸術。 ブロードウエイのミュージカルの中でも、ここまで総合的にクオリティが高い作品は それほど多くはないと思います(あくまでも私の独断と偏見ですが) ということで「ZARKANA」10月初めまでの公演だそうですので NYにお住まいの方はぜひ。 チケットはこちらから♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年08月13日 10時32分44秒
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