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カテゴリ:本のこと
「読まなくちゃ」ではなくて「読みたい」と思って本を選んで
いたので、読んだのは本当に種々雑多な本ですね。 殆どが図書館で借りてくる本です。今読みたいなと思ってまだ 読んでいないのは、伊集院静さんの書かれた『許す力』です。 こちらは是非読みたいと思っています 少し前に読んだ本の中で、私が読んでよかったと感じた本があった ので、ご紹介させていただきます。 浜田寿美男さんの書かれた『子どもが巣立つということ』という本 です。この中では子どもの巣立ちについて書かれています。それを 読んで、私が今まで何となく疑問に感じていたことが、少しわかっ てきたような気がしたのです。なんとなくですが。 浜田寿美男さんの本を読んだのは私はこれが初めてでした。長年の 間、発達心理学をご専門に研究されている方のようです。 以下少し長くなりますが、本からの抜粋です。 身のまわりの世界も、それに自分自身も、そうそうおもいどおり にはならない。そのことをしっかり押さえたところで考えないと、 自分も苦しくなるし周囲の人も苦しくなる。そう思うのです。 ー中略ーたとえば、ここでテーマになっている、「巣立つ」こと にしても、それは子どもたちが自分の自由な意志でもって決意だけ でやってのけられるようなものではありません。 そこには「巣立つ」ことを支える条件がいくつもあって、そのうえ で初めて巣立つことへと向かう「自由」が確保されるということで はないでしょうか。ー中略ー 人があるところから1歩を踏み出そうとする時、それはやはり現実 に根ざしたところで「もうひとつの道」が見えてきたからにほかなり ません。人はなにかよほどのことがないかぎり、道の見えない真っ暗 闇に踏み出そうとはしないものです。ー中略ー 独り立ちなどといいますが、本当のところ人は独りでは立てないので す。人は家族を軸にした関係の網の目のなかに生まれ、それに支えら れて育ち、やがてそこを離れていく時、その先にもうひとつの関係の 網の目を張りめぐらしながら生活の世界を広げていかなければなりま せん。巣立ちとはじつはこの関係から関係への移行のことなのです。 ー中略ー 「自分の力で生きる」と感じていることと、人間の本質として「人は 独りでは立てない」、あるいは「関係のなかに生きている」ということ は、べつに矛盾しません。 ただちょっと気をつけておいたほうがいいなと思うのは、人は「自分の 力で生きる」ということを強調するあまり、とにかく「人は独りでは立 てない」というところを忘れがちだということです。ー中略ー 思春期はそうした幼い段階を越え、最初の関係の巣から出て次の関係の 巣を作っていく、そのはざまの時期ですから、子どもたちはここでたが いに人格的な関係を求めあい、たがいに距離を埋めようとします。 しかしそれでいて、たがいに別々な人間であることへの断念にはまだ遠 いのです。 思春期の子どもたちが関係への強迫的欲求をもち、1方ではその関係に ひどく傷つきやすいのはそのためではないでしょうか。 ー中略ー 子どもが「巣立つ」ということをテーマにして、長々と書き続けてきた のですが、いまに至って思うのは「巣立つ」ということは「成熟する」と いうことではないこと。 形容矛盾を覚悟していえば、人は未熟のまましかし巣立つ。そういうもの かもしれません。 『子どもが巣立つということ』 浜田寿美男著 より 私は何となくですが腑に落ちました。 巣立つを自立と言い換えてもいいのかな?それは関係性の移行に他ならない ことであり、人間は色々な関係性の中で生きていくということなのですね。 決して独りで生きてるわけじゃないんですものね。 子どもが巣立つためには、そこにどうにかなりそうだと言う希望が必要なの かな?これを読ませてもらって、そんなふうに私は感じたのです そして「巣立つ」時は完璧じゃなくてもいい、自分を振り返ってもそうです ものね・・・子どももトライ&エラーを繰り返しその段階で巣立っていくの かも知れません。 だから親はそんなに肩肘はらなくてもいいんだなとも感じたのです。人は皆 それぞれその人になって行く、内在する力を持っているのだから・・・ 本の中にはご自身の息子さんの巣立ちについても書かれています。学校に行け ない時期があったそうです。私は非常に興味深く読ませていただきました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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