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先週末はとてもイベンチャルな出来事があった。 彼の結婚式。人の幸せを見るのは何より嬉しい。 彼はこれまで様々な困難を乗り越えてきた。 彼は生まれながらにして心の臓に不具合をもっていた。 10歳になったとき、彼と彼の両親はその不具合を無くすことを 決意する。 検査尽くめで体中に針や管を刺されながらも、両親を気遣い それまで泣き言ひとつ言わず気丈に振舞っていた彼。 そんな彼が担架で手術室に運ばれていく。消え行くまでずっと 私たちを不安な表情でその眼に焼きつけようとしていた彼の あの姿を私は今も忘れることができない。 彼の体に刻み込まれた大きな手術痕は、今もなおその形状を そのまま留めている。 『あなたはプロ野球選手にはなれない。』文集で『将来の夢』 を書こうとしたとき、彼の担任教師は彼にそう告げる。 顔を真っ赤にして本気で怒った彼の母。彼女の本気の怒り を見たのは後にも先にもこれが最初で最後かもしれない。 体が弱くても負けない逞しく強い人間になって欲しい。 『あいつらだ、いけ!負けそうになったら俺がぶっ飛ばして やる。』あたりかまわず、人が集まる公園などで、少し無理目 の上級生に喧嘩をけしかけさせた。 彼よりも5歳以上も離れた兄たちと、毎日のように本気度の 高いプロレスごっこをしていた彼は、たとえ上級生であっても そうそう分が悪くなることはなくなった。 それから数年後。学歴至上主義の家庭にあって、彼は県内 でトップクラスの高校へ通うことになる。 しかし、親や兄弟の説得もむなしく、家計を思ってか彼は理由を 告げず、2年で中退した。まだ学歴主義が蔓延るなかで、中卒 で技術のない輩を受け入れてくれるほど世の中は甘くはない。 しかしその後彼はある大手タクシー会社の経営者が道楽で経営 するスタジオとその他いくつものアルバイトを掛け持ちして週に 数時間ほどの睡眠で馬車馬のように働き出す。 『学歴は必要ないが、学問は必要である。』 そう自覚した彼は、速読術を身に付け、本という本を片っ端から 読み始める。 いつしかそのひたむきさを買われ、彼はあるベンチャー起業の 設立に誘われる。そこでも彼は馬車馬のように働き出す。 日本全国津々浦々を高速道路などは一切使わず駆け巡った。 ほぼ毎日、車で寝泊りして夜を明かした。国内全て回り終える その頃には、彼は既に生半可な経営者ならやり込めれるほどの 経営眼と見識を備えていた。 そこでの4年間、彼はほぼ無給でやり遂げた。『お前は社長に 騙されている。』そう言う人もたくさんいた。しかし、それでも全国 で3000社を超える賛同企業ができた。 結婚式の当日。彼の両親の前には挨拶にきてくれる経営者が 後を絶たない。業界ではそうそうたる経営者たちだ。 『彼が私たちの業界を変えたのです。彼のおかげで人生を変える ことができました。』 『ご両親の方ですか?あんなに素晴らしい息子さんを世に生み 出してくれて本当にありがとうございます。私も含め、彼に影響を 受けた方はこの業界でどのくらいいるのか計り知れませんよ。』 嬉しそうな両親の姿を私は忘れない。 7年間に渡って彼を支えてくれたSさん。本当にありがとう。 そのお腹に宿した新しい命とともに、彼をこれからもよろしく お願いします。 そして、これまで彼を支えてきてくれた全ての方々に心から 厚く御礼申し上げます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月21日 07時31分23秒
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