カテゴリ:カテゴリ未分類
親が国民健康保険の保険料(税)を払えないために国民健康保険証を取り上げられ,「無保険」状態になっている中学生以下の子どもが,全国で32,903人にのぼることが10月30日,厚生労働省の調査でわかりました。
何の責任もない子どもたちが医療から排除されている実態が浮き彫りになりました。 実態調査は,野党などが求めていたもので,「無保険」の子どもの全国調査は初めてです。 調査(9月15日現在)によると,国民健康保険料を滞納している世帯は,全国で約385万世帯(加入世帯全体の18.5%)。このうち,資格証明書を発行された世帯は約33万世帯でした。 国民健康保険証を取り上げられた世帯の子どもを年代別にみると,0-6歳が5,522人,小学生が16,327人,中学生が11,054人でした。都道府県別では,神奈川(4,386人)が最も多く,千葉(3,321人),栃木(2,652人)と続きました。 資格証明書の発行前に市区町村が滞納世帯にとった対応は,文書による催促(88%)が多く,自治体によっては,事情を聞くなどきめ細かな対応をしないまま国民健康保険証を取り上げていることが浮き彫りになりました。 資格証明書は,市区町村に発行が義務づけられた2000年以降,大幅に増えています。発行を義務づけた国保法改悪(1997年)には,当時の自民党,民主党,社民党の各党が賛成しました。 厚生労働省は,医療を受ける必要がある子どもには,有効期限1ヶ月などの短期保険証の発行などを求めました。 病気になりやすい子どもがいる世帯であっても,お構いなしに保険証を機械的に取り上げる…,厚生労働省が10月30日公表した国民健康保険の「資格証明書」発行についての調査は,行政の非情な対応を浮き彫りにしました。 政府・厚生労働省は,保険料を滞納した場合でも「特別な事情を考慮する」などと強調してきました。資格証明書の発行は,「滞納者と接触の機会を増やし,保険料の納付を促す」というのが口実だからです。 ところが,自治体の現場では,まったく異なった対応です。 厚生労働省は今回の調査で,地方自治体が滞納者にどのように接触しているかを調査しました。休日の電話督促や訪問をしている自治体は22-26%。時間外で対応しているのは55%程度でした。 圧倒的多数は文書を送りつける催促(88%),電話での催促(67%)です。 資格証明書の発行が滞納者との接触機会を増やすという厚生労働省の言い分が成り立たないことを示しています。 同時に,住民の運動や取り組みで,子どものいる世帯への資格証明書の発行を取りやめる自治体や,資格証明書の発行そのものを中止した自治体も生まれています。 国民の医療を受ける権利を奪う資格証明書の発行という制裁手段は,ただちにやめるべきです。 【参考】資格証明書 国民健康保険料を1年以上滞納している世帯のうち,支払いが困難な「特別な事情」がないと市区町村が判断した世帯に対し,国民健康保険証の取り上げと引き換えに発行されます。 資格証明書では保険がきかず,医療機関の窓口で医療費の全額(10割負担)を支払わなくてはなりません。このため受診抑制や治療中断などが起き,深刻な問題となっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 29, 2008 03:39:42 AM
コメント(0) | コメントを書く |
|