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イスラエルによる入植地活動の継続は,中東和平推進を掲げるオバマ政権にとって障害となっています。
そうしたなかアメリカの“親イスラエル派”からも,イスラエルに対して公然と批判の声があがっています。 イスラエルは,バイデン・アメリカ副大統領が同国訪問中の3月9日,東エルサレムで1,600戸の住宅を建設すると発表しました。 エルサレム市当局はネタニヤフ首相とオバマ氏との会談(3月23日)直前に,同地での住宅20戸の建設を最終承認しています。 クリントン政権で駐イスラエル大使を2度務めたユダヤ系アメリカ人のマーティン・インディク氏は3月21日放送のアメリカ・CNNテレビの番組で,ネタニヤフ氏はアメリカを「手玉にとっている」と指摘しています。 アメリカ外交専門家の主流派に苛立ちが広がっていることをうかがわせました。 アメリカで強大な影響力をもつ親イスラエル・ロビー団体「米国イスラエル広報委員会」(AIPAC)は3月21~3月24日,首都ワシントンで集会を開催しました。 全米から7,500人に及ぶ“活動家”が詰め掛け,アメリカ政府高官,民主・共和両党の議会指導者などがこぞって参加し,権勢を誇って見せました。 席上,クリントン国務長官は「新住宅建設は,相互信頼を損ない,交渉を危機にさらす」と言明しましたが,ネタニヤフ氏が「エルサレムは入植地ではなく,われわれの首都だ」と公言して喝采を浴びたのとは好対照でした。 そうした状況を反映して主要メディアも二分しています。 ワシントン・ポスト紙が「ネタニヤフ政権を攻撃して,和平プロセスはすすむのか」(3月16日付社説)とオバマ政権を批判すれば,ニューヨーク・タイムズ紙は「むしろ問題は,ネタニヤフ氏が本当に和平妥結に自国を導くだけの意志があるのかどうかだ」(3月27日付社説)と反論しています。 親イスラエル・ロビーもいまや一枚岩ではありません。 クリントン政権の政策顧問を務めたジェレミー・ベン・アミ氏がAIPACに対抗して2008年に結成した親イスラエル・ロビー団体「Jストリート」は,先のクリントン氏の演説を支持。 「イスラエルは,アメリカとの関係を損なうような過激な入植活動家を放置すべきではない」とする意見広告をニューヨーク・タイムズ紙に掲載しました。 同団体などが3月17~3月19日に実施した世論調査では,ユダヤ系アメリカ人の60%が,両国関係を損なったのはイスラエルによる東エルサレムの住宅建設計画発表だと回答しています。 アメリカがイスラエルを批判するのは正しいと答えた人も55%にのぼっています。 アメリカが後ろ盾になって,無理やり建国したイスラエルが今となってはアメリカの脅威になっているのは,何とも皮肉なことですが,やはり軍事力では何も解決できないことを象徴しています。 中東和平を推進しようとするアメリカが,武力ではなくどのように進めていくのか注目をしております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 7, 2010 11:01:24 PM
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