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カテゴリ:映画の話 『カ行』
“自由の燃える温度”華氏911℃…いや、ほんとはもっと簡単に燃え尽きるのが『自由』だなと、改めて考えさせられる映画ですね。パルムドールも頷ける一本でございます。
主演は、ジョージ・W・ブッシュだそうですが、ま、そんなことはどっちゃでもよろしい。ここで注意しておかないといけないのは、この映画は決して、単なる“ブッシュ批判”とか民主党の“プロパガンダ”なんかではない、もっと崇高な、いや、崇高とかそういうものではない単なる『事実』をそのまま描いた映画だってこと。 この映画を観て何も感じない人がいるなら、世界で最も恐ろしいのはその人の心です。ってぐらい、考えることの、感じることの多い映画です。 この映画のテーマは“『戦争』よりも『無知』の方が恐ろしい”…そういう人々の人任せな部分を痛烈に批判してると思います。 物語は、ブッシュがイカサマで勝利した大統領選挙からはじまります。 その後、大統領になったブッシュがCIAからの報告を後回しにして休暇をとっていたせいで、オサマ・ビンラディンにまんまと一杯食わされるアメリカ。 混乱のなか、サウジの富豪で、親ブッシュと深い繋がりのあるビンラディン一家をすぐに国外へ逃がします。この疑惑を追及します。 報復は『サウジアラビア』ではなく『イラク』へ、それもテロとは関係なく単に『大量破壊兵器保持疑惑』という理由で、国連の決議を無視し…。 そして『イラク』は侵略に遭い、多くの犠牲者を出し、アメリカ軍へ報復に打って出ます。そして泥沼の戦争へ突入していくのです…。 (ま、日本もそんな不当な戦争の片棒を担いだんですから、責任が無いと言えば善良なイラク国民の犠牲者に申し訳が立ちませんね) 長期化する戦争へ多くの兵士を送るため、不況渦巻く地方都市から続々と若者が志願兵となって最前線へ送られていきます。そして多くの犠牲者が出るのです。 ブッシュ大統領と深い繋がりのある石油会社。 利権・汚職・搾取…アメリカの歪んだ現実を目の当たりにして、日本はちゃんと向き合って考えないと、僕らの子供や孫の時代、どんな犠牲を払わないといけなくなるか…。 敗戦国として、ドイツが“新しい生活”を提唱し続けている現実、おなじ敗戦国として、唯一の被爆国として、日本が世界に発信するメッセージは決して『アメリカ追随』じゃないなと改めて思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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