|
カテゴリ:映画の話 『カ行』
観てない人は人生のステキの20%は損してると思う。そんな映画。久々の大ヒット作品でございます!
製作・監督・脚本…とにかく、ポール・ハギス。天才ですね。『良い映画はいい脚本がないと成り立たない』そういうことです。とにかくスゴイ。『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家ですね。 とにかく、様々な人種、様々な生活スタイル、様々な宗教、正義・誤解・偏見・差別…アメリカが抱える憂いを全て映像化して昇華した作品とでも言いましょうか、言い過ぎですか?(アハ)とにかく素晴らしい作品でまちがいございません。 群像劇なので、主演は無いですね。ま、ドン・チードル(黒人の刑事)を軸に見るとわかりやすいかも知れませんね。ラストシーンにキレイに繋がっていくと思うし。 その他、マット・ディロンとライアン・フィリップの巡査のコンビ。 ブレンダン・フレイザーとサンドラ・ブロックの検事夫妻。 ジャイモン・フンスーも出てますが、一番痛い思いをする役じゃないかと…。 内容は、クリスマス前のロサンジェルス。映画のシチュエーションでは、最もベタなとこですが、ある交通事故のシーンから始まります。 黒人刑事グラハムと同僚でヒスパニックのリア、車を追突され中国系アメリカ人に罵倒されます。 ペルシャ人にもかかわらず、“911”以降、謂れの無い差別を受け続ける雑貨店経営者の親娘。自分の全てを注いだ店を守るため銃の所持を決意しますが、そこでもアラブ人と間違われ差別されます。 とにかく世の中が悪いのは全て白人のせいだと思っている黒人の青年二人。通りすがりの地方検事夫妻の高級バンを強奪します。 夫妻はすぐさま警察を呼び、検事は出世のためには“黒人票”が不可欠だと、車の盗難犯が黒人である事実を逸らすべく、とり急いで『黒人刑事の表彰』を部下に指示します。 妻は、『翌朝には鍵をすべて交換して!』と黒人は全て犯罪者だという偏見で鍵職人の男を罵ります。 父親の尿道炎が酷く、寝不足な毎日を過ごす差別主義者の白人警官。病院に特別な措置を願いますが、保険適用内だと手の施しようが無いと突き放され電話口で罵倒します。 同僚の若い警官を引きつれ警らにあたりますが、“車の盗難”の一報を聞きつけ同型車種のバンを追尾。 全く見当違いのバンに乗っていたのはテレビ番組の製作者で裕福な黒人夫婦。不当な捜査とセクハラで夫婦を侮辱する白人警官。執拗に触られるのを黙って見ていた夫に怒りが収まらない妻と、自分の正義・黒人としてのプライドを押し殺してまで耐えた自分に思い悩む夫。 グラハムの母親はグラハムの弟を探すように執拗に迫りますが、職務が忙しくそれどころではありません。ある日、検事に呼び出され、“ある取引”を強要され屈服してしまいます。 ペルシャ人の店では裏のドアの鍵が掛からず、鍵の修理を呼べば『ドアを換えろ』と言われ、“高級バン”を強奪した黒人二人は中国系アメリカ人を轢いてしまい、若い巡査は先輩巡査の横暴に耐えられず上司に配置転換を願い出るが屈辱的な条件を付けられ、検事の妻は一日中、とにかくイライラして…そんな人々の一日が見事に交錯していく。 『いけ好かない映画だろう』と思って観て下さい。兎に角、最初から最後まで観て下さい。絶対に見終わったら拍手してしまうことでしょう。 5ションペン 4デンゼル 4デニーロ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[映画の話 『カ行』] カテゴリの最新記事
|