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桜木建二

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2012.08.12
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カテゴリ:プロジェクト8
平成元年、私は尊敬する恩師にこんなことを言われました。


「辻村君、お礼状を書くことは良いことですよ。」と。

その時、お礼状を書くことが、なにが良いのか。

それをすることで、どんな成果を得られるのか。

どんな信頼を得ることが出来るのか。について、

恩師は一言も、私に告げませんでした。



実践すれば、自ずと分かる・・・と信じていてくれたのかもしれません。


ですから、下記の文章は、愚直に実践すれば、自ずと分かることです。

けれども現代は、マニュアルの時代。

私たちの若い頃とは違います。


そこであえてこの文章を書きました。

ただ、それでも、すべてを語った訳ではありません。


自分と言う器を空っぽにして、恩師の言葉を素直に受け入れ、

実践し得たことは、非常に大きい。

改めて、纏めてみて、そう感じます。



自転車に乗るのには、何度も何度も転んで覚える。

泳ぐことも最初からできません。


人生には、実践してこそ、分かることが多いのです。

それを踏まえたうえで、この文章をお読みください。

「お礼状を書く時に私が心がけていること」

(加筆修正いたしました)


「お礼状」を書く時に私が心がけていること


8月8日のビジネス交流会が終了し、講師の坂本孝司先生や磐田信用金庫の高木理事長、

また、名刺交換した方にお礼状を書かれた方もプロジェクト8のメンバーの皆さんの

中には多いと思います。

私にまで、多くの方からお礼のメールやメッセージを頂戴しました。

心より感謝したします。


今回は、ある方からお礼状の文面について、ご質問がありましたので、

私が普段、心掛けていることを、ここに記します。


いわゆる社会的立場の高い方とお話しさせて頂く中で、私が、ふと感じることは、

こんなことです。



これは、坂本理事長や高木理事長の事を申し上げている訳ではないので、

くれぐれも誤解しないで下さいね。

多くの経営者の方々とお会いする中で、私が感じていることです。


それは、なにか?


多くの社会的立場のある方に対して、名刺交換する方の多くは、

少なからず、その方と繋がることで、自分自身になんらかの利益を

たとえ潜在的にしても求めているのではないでしょうか。

お世辞を言ったり、型通りの褒め言葉を話したり。



また、それ以外にもこんなことがあります。

あまりにその方が有名で立派な方だと、名刺をお渡しする側が、

緊張し、気が引けて、まともなご挨拶が出来なくなることもあります。



この位の立場にある方と言うのは、心配りや気配り、また、相手の人間性を

見抜く力に長けた方ばかりです。

逆に言えば、そのような能力が高くなければ、その地位には就くことは出来ません。


簡単に言えば、「人間力」の高い方。「観察眼」の優れた方です。


そんな方に、お世辞を言っても、見抜かれてしまいますし、美辞麗句を語っても、

心を伝えることは出来ません。



そのため、私が心がけていることは、


素直に、ストレートに、感動をお伝えすることです。

感謝の気持ちを言葉でお伝えすることです。



そこには、一分の打算もありません。打算があれば、それは文章に表れます。

そして、例えば、あまりに感動した時は、そのままこう書きます。


「今回の講演、あまりに感動して、どう書けばよいのか、適当な言葉も見つかりません。」


何度も文面を推敲した・・・というお話を聞きました。

また、お礼状の書き方の講座をした方が良いのかもしれませんが、

私が何故、講演または、交流会の当日、その日の夜にお礼状を書き、

「速達」で郵便局の夜間窓口に行くのかと言えば、


講演の感動が醒めぬ間に、

感動した気持ちをそのまま文章に込めるためです。

気持ちを書き込むのです。



美辞麗句ではありません。文章のテクニックでもありません。

感動と感謝の気持ちを、そのまま素早くお伝えする為です。



なぜ、速達で出す必要があるのでしょうか?


浜松市内なら、普通便でも翌日に届く可能性が高いのに。


それは、少しでも早く心の感動と感謝の気持ちを、その方に伝えるためです。



郵便で出してもヤマトメール便で出しても、「速達です!」と言って、

配達の方が、郵便受けに入れるのではなく、

直接、会社であれば、事務員の方に届けて下さるからです。



先程、立場のある方は「観察眼」が優れていると書きましたが、

郵便局の「速達」であれば、投函時間をご覧になります。


私は、当日の深夜か翌日の早朝、夜間窓口に行きますので、

例えば、23時48分とか、0時25分と言う時間も記載されます。


この手紙を受け取られた方から、後日、直接、お言葉を頂いたことがありますので、

その時の言葉をここに記します。


「あの日、あなたもお酒を飲んでいたでしょう。

(講演会の後の懇親会で)あれから、この手紙を書いたんですか・・・・。

記載されている時間を見て、その日のうちだったから、ビックリしました。

いやぁ~。こんなお礼状頂いたことが無かったので。」と。



感動は、相手の予測を上回った時に、生まれます。


私のお礼状のスピードの速さが、手紙を受け取られた方の心に感動を呼ぶのです。

私が頂いた感動と感謝の心を、お礼状の文章は下手だとしても、そのスピードの速さと

飾らない、率直な感謝の言葉で、すなおに伝えることが出来るのです。



こんなことを言われる方も居られます。

「私は文章が苦手なので、なかなか書くことが出来ません。」と。


私は、講座でも、美しい文章を書いて下さい。とか、敬語は丁寧に。とか、

言ったことはありません。もちろん、常識的な敬語は必要だと思います。


ただ、そのような方に感じるのは、

「手紙を受け取られた方」の笑顔より、

「自分自身の文章」への些細な「こだわり」の方が強いような気がします。



あらためて言いますが、テクニックやいかに上手な修飾語を使うかではなく、

感動した心を素直に書くこと。・・・なのです。



言い換えるのならば、相手に対する感謝の気持ちを大切にするのか。

それとも自分自身のこだわりや体裁に重心を置くのか?の違いです。



自分自身に「こだわり」の強い方は、こんな方もおられました。


「私、何度か、教えて頂いた通りに書いたのですが、

なんか心が入っていないような形だけで書いているような、

そんな気がするんです。

こんなんでいいのかな~。と、自分自身、しっくりこなくて、

上手く言えませんが、そんな気持ちで(手紙)お送りするのって

間違っていないかな。」と



お分かりになりますか?

この方が、なにを間違われているのか?



確かに、この方の言うのはある面正しいです。

偽りの心でお礼状を書き、見せかけの感謝の言葉を書いていたからです。


この方の言葉で気になるのは、相手の方への感謝の気持ちが持てない事。

自分自身への「こだわり」が強い事。

そして、なんのために書いているのか、お分かりでないことが、一番の間違いです。



手紙は、感謝の心をお相手に伝えるために書いているのです。

言い換えれば、感謝の心を養うために、感謝の心を磨くために、

書いているのです。



この方の問題点は、自分自身が感謝の心を養うことが出来ず、違和感を持ち、

お礼状を書くことすら、投げやりな気持ちであることです。


起業家として、多くの方々の協力を得るには、周囲の方に感謝の気持ちを持つことが、

とても大切な条件となります。

なぜなら、簡単に、赤の他人の為に、人は協力しないからです。



金メダルを取られた方、アカデミー賞受賞者、そして、多くの成功者が語られるのは、

支えて下さった方やご家族、周囲への感謝の気持ちです。


お礼状を書くという事は、その心を養うための訓練でもあります。



自分自身、迷いながらでも、お礼状を書くことによって、

講演を聴く時の集中力が増し、内容も把握でき、感動も高まる。

少なくとも講師の伝えたいことは、理解が深まるはずです。


1つには、感受性を高める訓練でもあるのです。



大事なことは「お礼状」は、相手の方に感謝を伝えるために書いてはいますが、

一番大切なのは、自分の心を磨くために書いているのだという事です。

以上、もっとも大切だと思う事を書きました。



他にも書くことはありますが、今回はこの辺で、終わりとします。

長文へのお付き合い、ありがとうございました。辻村泰宏





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Last updated  2012.08.13 01:11:59
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