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「源氏物語」が「藤壺物語」と言っても良いのは、理想の容貌
と品性を持つ光源氏が、つぎつぎに仕掛ける濃いの罠を、こと ごとく拒否的情緒で対応するのは藤壺と空蝉の二人だ。 藤壺は父桐壺の女御、光源氏には血縁のない継母、先帝の 第四の内親王でもっとも「上層」の女性の一人だ。空蝉の設定 は家格は相応でも、受領である伊予の介の後添えで「中層」と いえる。光源氏が主人公の間は藤壺に対する源氏の遂げ得ぬ 恋慕と、彼の子供を身ごもってしまう藤壺の罪悪感、源氏への 否定のエロスの内面を描いて藤壺中心となっている。 しかし、光源氏が言い寄るのに巧みに退ける空は、「中層」 の象徴として時背が極限まで引き延ばす自己主張と美と、危う い見識の運命を描いていると言える。 作者「紫式部」が藤原道長と自分との情緒の距離と体験 を、ここに込めたように思われる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年05月10日 23時16分02秒
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