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作家の部屋 「ダルタニウスの苦悩」

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スザンヌの「ぶろぐ… スザンヌ☆さん

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どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
2006年05月12日
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カテゴリ:思想
「共同幻想論」は吉本隆明氏の思想活動の原点になる著書で、ここに思想の集積が詰められていると言って良い。そこで、そのテキストを利用しながら彼の思想をより掘り下げて解釈していきたい。興味のある方は、書店にての購入をお勧めする。

 まずこの著の「序」が分かりやすい総論とも言えるが、この論の最初に論考の「禁制論」かん入ることにする。

 もちろん言うまでもなく氏の観念の世界のとらえ方は3つに絞られ、(1)共同幻想(国家や方などに関わる世界) (2)対幻想(家族、セックス、男女の性に関わる世界 (3)自己幻想(芸術、言語、文学などの関わる世界)を全幻想領域として、その内部構造と、表現された構造と、さらにそれらの三つの相互関係を解き明かすことで、全幻想領域を解明しようと言う壮大な思想作業を指している。

 この(1)の共同幻想の解明の核になるのが「共同幻想論」、(2)の対幻想の「心的現象論」、(3)自己幻想のそれは「言語にとって美とは何か」の論考が対応し、その遠大なテーマを、歴史をたどりながら西洋思想、東洋思想といった過去から現在に至る思想の流れの延長で、氏独自の新しい思想作業を行っている。

 日本の歴史の中で、ここまでま体系だった思想世界を構築し、世界思想になり得ているものは他にはないと言って良い。私たちが現に生きているときに、彼が同在し影響を与え続けていることを感謝すると共に、さらに次への思想的な深化を我々に提示していることをも考えに入れなければならない。

 まず氏は禁制(タブー)を未開の心性に起源のメスを加えたのがフロイトとして、人の心的世界を乳児期からの堆積とみて神経症患者の心性から、その未開の心性を取り出せると考えたことへの批判をする。

 フロイトのダブー論で(1)近親相姦に対するタブー(対幻想の世界)と(2)王や族長に対する制度的なタブー(共同幻想)に絞ることで論究する。

 (1)近親相姦のタブーはなぜ生まれたか

 フロイトのここでの論考が、そもそも人間の本質は<性>にあるとみなし、その混同した<リビドー>という概念を個人→経験→共同的な世界へと考察を進めていくところで矛盾をさらに拡大せざるを得なかったとしている。フロイトが日本の古代王権に言及した「トーテムとタブー」(フロイト著)の論考から氏の独自の視点を展開し始める。

 

 「ある対象が、事物であっても思想であっても人格であっても禁制の対象であるためには、対象を措定する意識が個体の中になければならない。そして対象は彼の意識からはっきりと分離されているはずである。彼にとって対象は怖れであっても崇拝であっても、その二つであっても良いが、彼の意識によって対象は過小にか過大にかゆがんでしまっている。さしあたって、自分にとって自分が禁制の対象であったとすれば、対象である自分は酵母のように歪んでいるはずである。

 そして、この状態に絶えず是正を迫るものがあるとすれば、彼の身体組織である生理的自然そのものである。また、自分にとって<他者>が禁制の対象であったとすれば、この最初の<他者>は<性>的な対象としての異性である。

 そして自分にとって禁制の対象が<共同性>であるとすれば、この<共同性>に対する自分は、自己幻想であるか<性>的な対幻想であるかいずれかである。」(共同幻想論より)

花






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Last updated  2006年05月12日 23時41分52秒
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