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「入眠幻覚の体験から異常体験という意味を排除して考えれば、それぞれは常民の共同幻想から、巫女の自己幻想へ、巫女の自己幻想から、宗教者の自己幻想へと移っていく位相」というこの文は、常民の共同幻想が宗教へと転化していく起源を言い当てている。この状態では、村民の個人幻想は共同幻想とは逆立や疎外されずに
ここの個人幻想が共同幻想に同化していることを意味し、特殊な段階としている。つまり法など高次の共同幻想にまで至っていないため、、病的な真理としての個体の幻覚が共同性にどう逆立的に転化できるかがフロイトでは解けていないことになる。 そこで個体の幻想と共同幻想をどこで分離するか、誰がどう分離するかが解明されなければならない。 実は、前文で示した巫女がこれを分離し、媒介する専門の憑き人になると指摘。この精神異常を自己統御できた巫女が、やがて共同体のある家筋や別の個人に憑くようになれば、共同幻想が個人内部の幻想の分離から制度への分離の一歩を踏み出すことになる。 「このような状態で、村落共同体の経済社会的な利害の問題は、初めて憑き筋として共同的な幻想を階級的に措定するのである。」 つまり、初めて共同支配の階層として制度化される契機が生まれるのである。まさに支配層の誕生と共同性支配の起源の誕生である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年05月14日 18時26分28秒
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