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作家の部屋 「ダルタニウスの苦悩」

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スザンヌの「ぶろぐ… スザンヌ☆さん

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どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
2007年01月08日
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カテゴリ:政治
フロイトの戦争についての論文に「戦争神経症者の電気治療についての所見」(1920.2.23 ウィーンにて)がある。

 平穏と思われる日常でも、私たち現代人は多くのストレスを感じ、自立神経失調症による神経障害を引き起こしている。それが、交通事故や通り魔といった事件、なんらかの心身に極度の危険を感じ、あるいは傷害を受けることで発症する心的ストレス障害を被る体験をもつことで精神障害を持つことは知られている。統合失調症や躁うつ病以外にも幼小児期の環境が心にダメージを与え、異常性を示す所見も現代では多く知っている。

 この現代に、戦争が起きると、私たちは戦闘の最前線に送り込まれ、例えば現在のイラク戦争のように日常の中に戦争殺戮行為や、その被害が生命の危機を抱えながら発生する。手榴弾が側で炸裂し、敵に土中に埋められ、銃口を向けられて撃たれる。拷問を受け、あるいは拷問する側に回り、人を銃殺する立場に立たされる。戦争は、予想しがたい、非日常性の危機的世界に置かれることになる。これらの経験は、多くは震えや麻痺などの運動障害を生じ、それはたとえ最前線に居なくても生じる可能性がある。

 戦争という異常世界は、人々の心に大きなダメージを与える。かくて、第一次世界大戦時には、その処置として電気治療が施されていた。ただ、その目的は患者である兵士の回復を目指したものではなく、再度前線へと送り込むための「戦争遂行能力の回復」にあった。電気治療をして再び戦場へと戻す。兵士は、再びその症状が発症する。

 病気を理由に戦争回避をさせまいと、軍医達はこれらの戦争神経症者達に拷問とも言える、さらに強度の電気治療を、個人の忍耐の限度を超えてでも施していた。まるでその拷問を回避したくて前線に戻るかのように兵士は解き放たれた。イラクのように敵味方が分からず、しかも日常の中に

爆弾テロや不意の攻撃があると、神経は極度の不安に晒され、その持続は危機的な状況にまで至ることになる。戦争を職業とする軍人や従軍へいはもちろん、家族の負担も同様の不安を抱えることになる。

 かくて、この方法の間違いが指摘され、以後は戦争神経症を心的治療として診療することになる。しかし、戦争は多くの正常な人達を、極度に非日常的な殺戮と不安の世界へと強制的に投じるために、精神面での心的傷害も生涯傷として残す可能性があるのは言うまでもない。





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Last updated  2007年01月08日 14時32分05秒
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