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カテゴリ:社会
少子化と超未熟児群
文明が進むのに比例して少子化をもたらすことの必然性については、すでに確認できている。ここでは、出生率の低下と同時進行して、新たに生じている現象として,未熟児の出生比率が上昇していることに着目してみたい。 この未熟児は早産と密接な関係があり、また若年及び高齢出産とも関係している。さらに母胎の栄養過多も関連している。厚労省の人口動態調査資料から1979年に比べて、1992年は早産の割合が上昇してきている。実は、1970年以降NICUが普及し、新生児医療が保存的医療から積極的糺明医療へと考え方が変わった点が指摘される。 これは胎児の体外生活が可能な時期と判断されれば、胎児を悪化している子宮内から早期に娩出する医療へと変更されたことを意味している。自然分娩を待たずに陣痛誘発を人為的に行い、早めの妊娠週数で出産させようというのだ。これが超未熟児(低出生体重児)出生率上昇要因の第一に上げられている。 さらに妊娠中の栄養摂取だが、 過剰栄養が母子に悪影響を及ぼすことが分かってきたため、保健指導として体重増加を抑える傾向となり、妊娠中の栄養及び体重管理が胎児の発育に影響を及ぼしている。出生数が最も多い妊娠週数30~40週のどの平均体重を年次毎に比較しても体重が低下しているという。特に重傷妊娠中毒症の頻度も上昇している。妊娠中の栄養が未熟児出産に大きく影響していることが裏付けられている。また、妊娠中の体重に限らず、若い女性のスリム志向も原因となっている。 少子化傾向は初産の難産や未熟児の出産状況からブレーキがかかるという皮肉な一面も出てきているようだ。また、肥満妊婦は妊娠中毒症、分娩事大量出血、巨大児分娩、手術分娩などの以上出産に成りやすい。 飽食の時代から健康管理の時代に入り、反動で栄養過剰摂取の戒めが栄養過小、極端な体重管理志向を横行させ、偏った栄養指導が栄養障害を生み出す社会現象となっている。これが未熟児の増加を生み、将来の日本人の体型をも懸念させる事態となっている。これらを食い止めるには医療、保険、福祉の連携で、適正な枠組み作りと正しい知識の指導普及が不可欠です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年09月25日 18時46分24秒
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