今日、用事があって銀行へ両替に行った。1000円紙幣を100円硬貨10枚に両替するためだ。まず、両替にその銀行のキャッシュカードか通帳が必要だと言われた。あいにく持っては居なかった。すると、両替手続きの記入用紙を渡され、書くようにと言われた。たかが、1000円を両替するのに銀行となると、なんと手続きがめんどうだなと思いながら、順番待ちのカードを引き抜く。座ること20分、こんなに待たされなら辞めれば良かったと悔やみつつ、呼ばれるのを待っている。どうにか1000円を崩したが、「なぜこの銀行に口座があるかどうかを尋ねたのか」と確認してみた。すると、口座がないばあいは、両替手数料を支払わねばならないとのこと。幾らなのかと聞き返すと、「もし1000円の両替をするなら300円の手数料がかかる」という。思わず驚いて息を飲んだ。1000円を崩してもらうと700円しか戻らない。なんということだろう。ちょっとした親切で両替を快くやってくれる商店主はよく見かける。当たり前に接してきていた。ところが、今の銀行はそんな親切心などは全くなくしてしまっている。どうしたことだろう。こんな小さな現象でも、何か世の中に大きな変化が起きていると感じるようになった。
無視できることではない。貨幣流通社会において両替しにく環境は、大きな障害を引き起こす。ところがカード社会は小銭をも必要としなくなっている。デジタル化とカード社会は現金の交換がなくても実質的な交換が可能となっている。便利さと引き替えに、人の心のやりとりは省略されている。振り込め詐欺などの騙しの手口も巧妙になり、金融機関も国の指示で顧客被害防止から、1日1回の引き落とし額あるいは、振込額を制限している。貨幣経済の時代に窮屈な思いが始まった。
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