現在の国家は19世紀末~20世紀初頭にかけて誕生した国民国家である。その下部構造は第一次産業(農業)と第二次産業(製造業)を経済基盤として形成されてきた。三権分立の国家形態もその時期に考えられている。
現代はというと、産業構造が変化し超資本主義からポスト資本主義へと移行してきている。産業構造は第三次産業(サービス業)から第4次産業(情報・IT産業)主流となり実体経済は国境を越え、グローバル経済、あるいは超多国籍企業が世界経済を担い、1経済圏と化した世界は、従来の国家主体での、既存の国家を保存したまま経済実態をコントロールすることは最早できなくなっている。そのことが庶民に感じることができるようになったのは、ガソリン代の高騰だ。さらに、マネーゲームと化した投資ファンドは住宅ローン問題として顕在化し世界を同時不況に陥れる事態を招いた。これにたいして、各国は個々の防衛力を駆使ても、最早対処しきれず限界を超えていると実感できた。
既存の枠組みでは、もはや世界経済を操作することはできず、EUのような地域統合経済体制を組むなどの新たな枠組み作りが不可欠となっている。アフリカ共同体、アジア共同体、環太平洋共同体、北米共同体、南米共同体、ロシア共同体といったような地域共同体の構築等が考えられる。また、従来の世界意志決定機関である「国連」はまさに旧国家体制のなごりであり、この組織を解体するとともに再編し直すことが緊急課題といえよう。
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