バレエの進路 質問 その1 『今 何歳ですか?』 PART 6 ~中学・高校時代~
バレエの進路 質問 その1 『今 何歳ですか?』 PART 5 ~中学・高校時代~ では、留学がらみのことについてお伝えしてきました。ここまで読んで、まるで留学しなければダンサーとして成功できないかのように思いこんでしまった方がいるかもしれません。でも、どうぞご安心ください。決してそのようなことはありませんよ。ただ・・・先々に拡がる可能性を考えるならば、そして、バレエを生業にする上での技能や教養を身につけるためには何が一番効率がいいかと考えるならば、留学が一番てっとり早いというだけのことです。他の方法はあるんですよ。それは高校時代のところでお伝えしたいと思います。さて、それでは日本でバレエを続けている場合、中学高校にかけて避けて通れないのは、高校受験ですね。(中学受験をした子供にはこの話題はあまり関係ないでしょう。)高校受験・・・・。その準備を始める場合、通塾であったり、それまでのレッスンを減らすなどという対策をとることでしょう。公立の中学校ですら、それまで奨励してきた部活動引退が通例で、それからは受験一色となるわけですから。けれど、バレエを生業にする場合、この世の中の動きとは別の視点を持っている必要がありますね。あくまでもバレエ指導者としての立場での意見ですが、14~15歳のこの時期にレッスンを減らしたり、完全に休んでしまうことは、とてももったいないことです。そして、生業にしたいのであれば、『絶対に休まないでください。』とお伝えしたいところです。ちょうどこの時期 女の子は女性ホルモンが活発になり、子供の身体から大人の身体への大きく変化します。すると、胸が大きくなったり、腰回りが大きくなったりします。そこで何が起きるかというと、自分自身のバランスの変化です。ダンスはバランス感覚がとても重要な要素ですが、それが狂ってしまうんです。レッスンを休んでしまって、その間に身体が変わってしまうと、復帰したときに大ショックを受けるわけです。そのショックゆえにバレエをあきらめるという話しも耳にします。(あぁ、もったいない!!)ターンアウトも毎日の鍛錬あって維持でき、より発展させることのできる身体の動き。それも休んでいる間に筋肉が忘れてしまいます。お休みの間に失ってしまうものは大きいのです。そして、取り戻すために時間が必要になってきます。指導者はその時間を先への発展へと使いたいのです。そうした意味合いがあってバレエ指導者は生徒が生業にする意志を持った場合、レッスンを長期で休むことに対していい顔をしないワケです。子供の頃にバレエを習い、中学でやめてしまったけれど、大人になって再開したという生徒さんの昔話ですが、高校受験でお休みすることを伝えると、先生がとてもお怒りになり、結果、休むどころか、やめることになってしまったということです。ちょっと極端な話しのように聞こえますが、こういうことはあちらこちらでよく起きているようです。蛇足かもしれませんが、私の元でも似たようなことがありました。「受験でレッスンを減らしたい」と言ってきた生徒がおりました。その生徒は元々「バレリーナになる」と宣言していましたので、それに基づいて指導をしておりました。レッスンを減らすことのデメリットを伝えたのですが、それがショックで私の元を離れてしまったのです。ダンサーになるための進言であったのですが、彼女にとっては耐えられないことだったのですね。指導者としては、残念なことではありますが、そうした出来事は指導者の熱い思いゆえに起きることであるとお知らせしておきたいと思います。さて、高校受験については、どんな学校選びをするとバレエに得なのか、ということをお考えになる方がいらっしゃるかとは思います。次回はそれについて少々。。。。。