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2006年04月23日
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カテゴリ:投資・調査関連
これから3月決算の発表が始まる。注目すべきなのは各企業の今期の予測数字である。
足下の景気は好調である。特に3月の数字を見る限り、消費関連の数字が伸びてきている。おそらく所得の増加や景気の先行きに対する安心感などや株高による資産効果の影響もあるのかもしれない。「格差問題」にも関連するかもしれないが、高額消費が好調である。ワールドカップ効果なのか大型TVやハードディスクレコーダーなどの動きも非常によい。そのせいか、電子部品各社の月次の数字も極めて好調だ。設備投資関連企業にインタビューをしても、景気後退の気配は見えないという。豊田市にトヨタおよびトヨタ関連企業を訪問をしたが、回った会社はすべて好調であった。

しかし、懸念すべき事がある。それは原材料価格の上昇、燃料価格の上昇、都市部を中心とした賃料の上昇、人件費の上昇、金利の上昇など、企業にとって頭の痛いコストアップ要因が増えているからだ。この2-3年間はデフレ下の景気回復であったので企業側は収益を出しやすい局面であった。売上高がフラットであっても多少のコスト削減努力で収益を上げることができた。しかし現在は売上高がフラットであるとひょっとすると減益になるかもしれない。

実はデフレ環境というのはベンチャー企業にとっては悪くない環境であった。スタートアップのコストが極めて低く、安い賃料のビルを探すことは容易であったし、優秀な人がリストラをされたりすることも多かったので低コストで能力の高い人を採用することも可能であった。景気が悪くても日本の市場は大きく、また企業側も不景気のおかげでベンチャー企業の商品やサービスを試しに採用してみようという動きがあった。景気が良くなれば逆にわざわざややこしいベンチャー企業の製品を買わなくても多少高くても安心できる大メーカーの商品を選びがちなのである。

ところが現状はベンチャー経営者には厳しい環境である。まずは人の採用が難しくなった。大手の企業が採用枠を増やしているので、大手企業に多くの人材が流れてしまいなかなかベンチャー企業にまで人手が回らなくなる。また仕入れ価格も上昇をし、企業を立ち上げようにもよい物件での賃料は上昇傾向だ。今までは持たざる経営が強かったがこれからは持つ経営の強さが発揮される。人や設備や資金を抱えていて苦しかった大企業が俄然強みを発揮してくる。特にTVコマーシャルをしているような大企業には有利だ。ブランドがモノを言うからである。

さらに、ホリエモン事件の影響を受けて新規上場基準が来年には大きく引き上げられそうだ。赤字上場も認められなくなる可能性が高い。社内管理体制のバーが大きく引き上げられて、実質的には数億円の経常利益をあげることができないと上場は難しくなるだろう。これから立ち上げるベンチャー経営者は大変だ。

しかし景気は拡大傾向にあるし、消費が拡大しているので流れをとらえることができたらもちろん大きく成長できるベンチャー企業も多くなるだろう。また、ベンチャーの時期を脱し、安定成長期に入りつつある企業にとっては有利な環境になる。その中でもニッチな分野のガリバーには景気回復は大きな恩恵を受けるに違いない。その点では、小さくてもある分野で高いシェアーを持っている企業にとってはこの環境は悪くない。

当社のファンドは地味で地道な会社に投資をするというスタンスなので大きな方針変更はしないけれども、割安企業であっても業界の2,3番手の企業に投資をするよりは株価の割安度がそれほど魅力的ではなくても、ニッチ市場のリーディングカンパニーを選別して投資をしていこうと考えている。価格交渉力の強い企業への投資が重要だ。そのような企業の投資比率を上昇させていく予定である。






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最終更新日  2006年04月24日 03時18分52秒
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