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2023年10月07日
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カテゴリ:最近観た展覧会
まだ観ていなかった石川県立美術館コレクション展を観に行ってまいりました。

特別陳列
前田家の至宝Ⅰ

室町時代末期、戦国大名による分国間の抗争から天下統一を目指す者が現れます。
名門の大名家ではなく、武力と知略により“下剋上する成出者”と呼ばれた彼らにとっては、自身の権威付けが重要な課題となります。
将軍との関係は必須でしたが、織田信長に擁されて15代将軍となった足利義昭は、やがて信長により京都から追放されました。
しかし、足利将軍家は北山文化や東山文化の推進など、文化においても中心的な存在でした。
そこで織田信長、豊臣秀吉は足利将軍家に倣い、武力のみならず、文化力でも自身を権威付けることに注力しました。
このような背景から、信長と秀吉に仕え、千利休にも茶の湯の指導を受けた加賀藩祖・前田利家は文武二道を家風としました。
そして、加賀藩の歴代藩主は、百万石大名の家格にふさわしい文化度を顕示することに尽力しました。
3代藩主・利常は、江戸幕府に対する対抗意識を鮮明に打ち出した、独自の美意識による名品の収集や、名工の招聘・支援などの文化政策を展開し、5代・綱紀はそれを拡大・継承しました。
本展では、10月14日から開催される「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展 皇室と石川」の“前奏曲”との位置付けと、第2展示室で同時開催する「茶道美術名品展」との関連を意識して、茶道美術を中心とした前田家の至宝を紹介します。
主な展示作品は、国宝《古今集巻第十九残巻(高野切)》(前半部)、重要文化財《茄子茶入 銘 富士》(大名物・堆朱丸盆はⅡ期で展示)、重要文化財《武家手鑑》(三帖のうち下帖)、《肩衝茶入 銘 浅茅》(大名物)、重要美術品《井戸茶碗 銘 福嶋》(大名物・嶋は箱書き表示)です。
茶道美術名品展Ⅰ

今日石川県が茶道文化の拠点となっている歴史的背景として、加賀藩は、藩祖・前田利家、2代藩主・利長が千利休から茶の湯の指導を受け、さらに豊臣秀吉からのキリスト教棄教勧告を拒否して追放との身となった利休の高弟、高山右近も、利休の尽力により客将として迎えていることが挙げられます。
千利休没後の茶の湯が、古田織部、小堀遠州、金森宗和らによって進められた大名茶となった時流において、3代藩主・利常が推進した文化政策に大きな影響を与えたのが遠州でした。
大名茶興隆の一方で、利休の孫・宗旦は千家の再興とともに利休の佗茶への回帰を強く打ち出しました。
利常は遠州、宗和とともに宗旦とも親交があり、宗旦の四男で裏千家4代の仙叟宗室が、晩年の利常に仕えています。
利常が1658年に没した後も仙叟宗室と加賀藩の関係は続き、5代・綱紀には1661年に初御見得して以後、30年以上にわたって仕えました。
利休没後100年に向けた利休再評価の風潮は、綱紀の美意識にも大きな影響を与えました。
このような背景を持つ加賀の茶道文化は、文化による地域の個性を表明する気風とあいまって、明治維新後も歴史的名品の集積をもたらし、国宝《色絵雉香炉》をはじめ、その一部は当館の重要なコレクションとなっています。
今回は重要文化財《色絵梅花図平水指》野々村仁清作、石川県指定文化財《黒樂茶碗 銘 北野》初代長次郎作をはじめ、千少庵と親交があった俵屋宗達の石川県指定文化財《槇檜図》などの名品を展示します。
近代逍遥

明治時代に始まる「近代」においては、人々の生活に大きな変化がもたらされ、わたしたちがいま〈美術〉と呼ぶものをめぐる状況にも影響を与えました。
西洋発の新しい考え方に呼応し、これまで日本に存在したモノ・コト・ヒトがそのあり方を大きく変え、試行錯誤のなかでその意味内容を形成し始めた時代であるといえます。
本展では、そんな時代における〈美術〉や新しい生活をあらわす作品を紹介いたします。
近代における〈美術〉の様相を反映した作品から、野外彫刻の原案や印刷物の図案を紹介します。
野外彫刻は、西欧から「モニュメント」という考え方がもたらされて以降、いわゆる銅像として日本でもさかんにつくられました。
最初期の銅像ともいわれる兼六園の日本武尊(やまとたけるのみこと)銅像の原案として制作されたのが今回展示する《日本武尊像》です。
最終的にはこの案は採用されなかったようですが、銅像という近代ならではのメディアに大きく関わる作品であることは間違いありません。
図案からは浅井忠《桜》を紹介します。浅井の死後に出版された『黙語図案集』は、浅井による図案約150点を厳選した書籍ですが、当館所蔵の《桜》は同図案集に掲載されたものであることが今回確認されました。図案集とともに展示予定ですので、ぜひご覧ください。
ほかにも、近代の生活(モダン・ライフ)をあらわした絵画作品や、作家がみた石川のむかしの風景などをあわせて紹介する予定です。お楽しみに。
Rey Camoy
- 鴨居玲 晩年の肖像 -

鴨居玲(かもいれい、1928~85)は、今から38年前の9月7日、57歳の若さで亡くなりました。
「人間とは何か」に迫った彼の作品や人生そのものは、今も多くの人の心を惹きつけてやみません。
鴨居は石川県金沢市に生まれ、宮本三郎(1905~74)に師事し、金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)で学びました。
在学中から石川県現代美術展で県知事賞を受賞、二紀展初入選を果たすなど、早くから頭角を現しましたが、スランプに陥ります。
1959年(昭和34)年以降諸国を転々とし、1971年(昭和46)スペイン・バルデペーニャスでようやく制作・プライベートの両面において充実した日々を送りました。
しかし ひとところに落ち着くことのできない鴨居は、その後パリに移り1977年(昭和52)2月に帰国、神戸に居を定めます。制作と病に苦しみ、死を意識していたこのころの作品には、鬼気迫るものがあります。
当館では毎年、鴨居の命日にあわせて特集展示を行っていますが、本年は1977年(昭和52)帰国以降の作品を中心に展示します。
第1章でそれまでの画業を紹介し、第2章では晩年いかにして「人間とは何か」に迫ろうとしたのかを探ります。
第3章ではセカンドストーリーとして制作以外の姿を紹介し、作品から受ける印象とは異なる鴨居の一面もご覧いただきます。
作品と作家自身の魅力を味わっていただける機会となれば幸いです。
なお、第6展示室では、絵画・彫刻の優品を展示します。
模様を楽しむ

模様という大きなくくりではありますが、幾何学模様と言われる細かな点や線から構成されるものや、動植物など自然にあるものを取り上げて構成したもの、描くのではなく彫って魅せるものなどさまざまに発見・楽しめる作品を集めました。
入口右手ケースには着物がずらりと並びます。小宮康孝《江戸小紋菊通し着物》、小宮康正《夫婦櫺子小紋着物》など、着物の中でも小紋と呼ばれる全体に細かい繰り返し模様が入った作品を今回多く展示しました。展示作品のものではないのですが、小紋を染めるときに使用する型も一緒に展示いたします。
また、今年度まだあまり展示のなかった木竹工作品も今回は展示いたします。
神代杉の蓋側板に、神代桂と尾州桧を交互に重ねて斜め格子に象嵌し、縦中央に黒柿を帯のように象嵌してあり、美しい木目や象嵌が印象的な、福嶋則夫《神代杉木象嵌重ね箱》を。
竹という素材の持つ粘りと弾力性を生かしながら、緻密で入念な模様あみと、渋みのあるほっこりとした光沢の橋本仙雪《竹組四方盤》ほか、木竹工から見つけられる模様の美しさをお楽しみください。
本展では、作品をもっと楽しめる「わくわくわーくしーと」を無料配布しますので、オトナも子どもも作品鑑賞を楽しむひとつのヒントとしてお使いいただければと思います。





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最終更新日  2023年10月18日 08時15分09秒
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