又いただきました。紫のパープルが綺麗～
断捨離でくたくた、イングリッシュローズが大きくなり鉢かえ、猫トイレも洗いました


社会性のあるテーマに切り込んだスケールの大きな作風でベストセラーを生み続けた作家、山崎豊子さんが２９日、心不全のため死去した。世の矛盾、汚濁にまみれた闇に目を凝らし、そこにうごめく人間の姿を山崎さんは幅広い視点で描き続けた。社会的な宿命や過酷な現実のきしみの中で、人はいかに生きるべきか。そのことを命をかけて作品化した。

　「社会派」としての器の大きさと衰えを知らない作品人気において、かの松本清張と、壮大な人間ドラマを絵巻のように展開していく手腕において文豪バルザックと比肩され得る作家であった。

　２００９年秋。空がひときわ高く、澄んだ日だった。「運命の人」がこの年の毎日出版文化賞特別賞に決まり、喜びの声を聞くため堺市の自宅を訪ねた。「私を育ててくれた古巣（の新聞社）から賞を頂ける喜びに勝るものはありません」。執筆の背景や受賞の感想をひとしきりうかがった後、かねて伝えたかった思いを口にした。

　「数ある先生の作品の中で僕は『ムッシュ・クラタ』が大好きです。何度読み返したことか」。－－主人公・倉田玲氏は、戦前・戦後、新聞社のパリ特派員を務め、周囲からフランスかぶれの気障（きざ）な男と見られていた。が、記者として赴いたフィリピンの戦場で彼が見せたダンディーな精神力が彼の死後仲間によって語られる……。「読むたびに感動が打ち寄せてくるんです」。そう言うや、山崎さんの頬が紅潮し、メガネの奥で涙がにじんだ。「ああ、うれしい。あの小説は私にとっても、うまく書けたという思いが深くて自信作なの。うれしいこと言われて感激です」。予期せぬ反応に恐縮したことを忘れない。

　山崎さんの作家としての出発は、毎日新聞社の学芸部に勤務当時、上司だった井上靖の刺激を受けたことによる。直木賞受賞の「花のれん」に代表される初期作品は大阪人のど根性を浪花の風俗と絡めたものが多かった。舞台こそローカルだが、人の生態を見抜く目の鋭さには天性のものがあった。「人間の住む所は汚い」という社会の暗部を突く視線だ。

　そのまなざしは日本の社会構造に注がれる。「白い巨塔」「華麗なる

続きはこちら毎日新聞