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カテゴリ:食べ物
本のタイトル
夢の百姓”正しい野菜作り”で大もうけした男。 横森正樹。 本のタイトルは、どうかと思う。 しかし、内容は面白かった。 わたしは、今までアメリカの農業は、日本に比べて大ざっぱだとの印象があった。 広大な農地を、飛行機を飛ばして農薬をまく。。。ような印象だった。 本の著者の横森さんは、若い頃、青年交流で、アメリカに研修に行く。 そこで、プライドとビジネスを学んだという。 プライドとは、 あるとき、農場主の方が作業をしている、横森さんに、 ”銀行に用事があるから、一緒に行こう”といったそうです。 横森さんは、慌てて、作業服から着替えるしたくを始めたそうです。 すると、農場主の方は、激怒したそうです。 ”なぜ、着替えたりするんだ。われわれ農家は作業着が立派な制服なんだ。 銀行に行くからといって見栄を張る必要などないじゃないか”と言われたそうです。 横森さんは、その時、自分でも知らないうちに、農業を恥ずかしい職業だと思っていた ことに気付いたそうです。 心に誇りを持っていれば、服装など着替える必要はないと、その時、悟ったそうです。 また、アメリカには農協がないことも、はじめて知ったそうです。 日本なら、農作物を作れば、農協が買い取ってくれるので、営業に悩まされることはない。 しかし、アメリカの農家は、そんな便利な仕組みはないので、営業も自身でやる。 だから、市場の状況を常に把握しながら、マーケットニーズにアジャストした作物作りを しているので、ピントがずれることがないと言う。 また、アメリカ人の仕事の仕方にも驚いたという。 10時と3時に休憩はない。 始まりから、終わりまで、無駄口一つないそうだ。 そして、残業もない。時間がきたら終わりだそうだ。 だから、時間内に仕事を完了しなければならない。 だから残業は、”ご苦労様と言われる仕事”ではなく”能力が足りないからだ”と いうことになるそうだ。 横森さんは言う。 ”日本人はよく働く”と言われている。しかし、農場で働くアメリカ人の人々を見て、 アメリカ人のほうがずっとよく働くと感じたそうだ。 日本人は一見、一生懸命働いているように見せているだけじゃないかと思う。” と語っている。 農場主から、研修の最初に言われたそうだ。 ”ここでは、日本時間は通用しない!”と 横森さんは、その後、日本に戻ってきたとき驚いたそうだ。 アメリカよりも狭い農地なのに、高価な機械化された農機具を持ち、 化学肥料や農薬を使用している日本の農業に。。。 アメリカでは、機械が壊れたら、自分でなおしたりして、大事に長く使うそうだ。 現在では、日本の農業も、減農薬、土作りの大切さが見直されてきている。 そして、横森さんのように、自分で作った野菜を販売する農家の方も現れつつある。 先日、経済財政担当大臣が、 ”日本は、もはや一流の経済大国ではない”と断言していたが、 横森さんの本を読むと、なおさら実感が湧く。 じつは、おとなりさんの方が、もっと、ずっと、がんばっているということを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.14 10:54:15
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