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カテゴリ:会社を創った男たち
松野宗純さんのことだ。
彼は、サラリーマンとしては、いい感じのゴールを迎えた後、出家してしまう。 黒塗りの車で送迎されていた男が、一転して、雨の日の托鉢に行くことになった。 松野住職は言う。 ”梅雨の頃は、カッパの中が汗で不快きわまりない。冬は寒さが身にしみる。” 雨の日の托鉢にも三つの選択肢があるという。 1、雨だから理由をつけて行くのをやめよう。 2、みんなが行くから仕方なくついていこう。 3、どうせ、行くなら雨でも頑張っていこう。 消極的な姿勢で托鉢に出ると、早く終わらないかとばかり思ってつらい一日になる。 ところが、積極的な気持ちで托鉢に行くと”いやだ””つらい”と思っていた以前の 托鉢とは、まったく違ったものが見えてくるという。 雨に打たれた緑が、感動的なほど生き生きとして美しいこと。 おばあさんの”ご苦労さん”というねぎらいの言葉が、晴れの日と違って、 我が身に、ズンと響くこと。 そして、終わった後に読む般若心境にも感動がある。 雨の日の托鉢の感動と厳しさは、晴天の日の托鉢を何万回やろうとも味わえないという。 黒塗りの送迎から、托鉢へ。。。という話はあんがい聞いたことがある。 しかし、托鉢から、黒塗りの送迎へ。。。という話はあまり聞かない。 と言うことは、黒塗りの送迎より、托鉢の方が贅沢な生き方ということになってしまう。 柳生石舟斎が剣の道を究めたら、剣を持たなくなってしまったことと何か似ている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.06.13 00:20:47
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