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カテゴリ:会社を創った男たち
スピード社の水着、”レーザーレーサー”
この会社と水着の名前を知らない日本人はほとんどいないだろう。 だけれど、この会社が、実は小さい会社だと言うことを知っている人は少ないと思う。 日本のミズノと言う会社の社員は、およそ1800名。 イギリスのスピード社の社員は、およそ200名。 スピード社の昨年の売り上げが147億円。利益は、じつに8億4千万円。 なぜ、レーザーレーサーという名前が付いているか、ご存知だろうか。 それは、水の抵抗を極限まで減らすために、 水着のパーツはたった3つ、 そして、その3つの生地を、レーザーで裁断した後、縫い合わせるのではなく、 超音波で素材の端を溶かして、継ぎ合わせているからだ。 この水着には、縫い目がまったくない。 水着の生地も、超極細合成繊維にポリウレタン製パネルを張り、撥水加工が施されている。 この水着が、今年2月に発表されてから、 この水着を着用した選手が打ち立てた世界記録は、 わずか5ヶ月で36にものぼる。 この会社のすごいところは、以前、アメリカの大学のシャープ教授が スピード社の水着の性能を疑問視する論文を発表した。 すると、スピード社は、シャープ教授の論文に反発するどころか、 ”彼が投げかけた批判は、すべて的を得たものだった。”といって すぐにシャープ教授に電話し、 よりよい水着を作るため社外顧問になってほしいと打診し、取り込んでしまった。 このレーザーレーサーは、NASAの100時間にもおよぶ風洞実験。 ニュージーランドの回流水槽で、じつに1000時間にも及ぶテストを行ってきている。 日本の大メーカーが慌ててまねをしても、マネの出来るものではなかった。 今、イタリアの水着メーカーが国際水泳連盟に ”この水着は規定違反だ”とクレームをつけている。 では、一方のスピード社のほうはどうかというと。。。 4年後のロンドンオリンピックに向けて、新作水着の開発にとっくに入っているそうだ。 スピード社の社長の言葉。 ”われわれは水泳はやらない。ただのオタクだ。” お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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