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カテゴリ:会社を創った男たち
コクヨという会社がある。
明治時代からの歴史ある会社だ。 誰でも知っている、オフィス用品を扱っている。 この会社は、現在グループ全体で5000人を超える。 ”コクヨ”とは、本来、”国誉”(こくよ)と書く。 創業者の黒田善太郎が、国の誉れ(ほまれ)になるような会社に、との思いを込めて 名づけた会社名だ。 彼は、老舗のマッチ製造会社の長男として生まれた。 会社は繁栄し、何不自由なく子ども時代を送った。 ところが父親が早くに亡くなってしまう。 会社は人手に渡り、黒田少年は奉公に出される。 その奉公先の一つに、小林表紙店という会社があった。 彼はここで、ノート作りのノウハウを学び、27歳で”黒田表紙店”を創業した。 当時のノートと言うのは、”中身100枚”となっていても、印刷ミスなどの分も 差し引かれていて、実際には96枚~98枚しかないのが”ふつう”だった。 しかも、使用されていた紙は、いまだに毛筆を使うことを前提にした、薄いものだった。 黒田は、この二つの点に疑問を持っていた。 ”これでは、世の中や、お客さまをだましているのと同じじゃないか!” そして、彼は、これからはペンの時代が来る。ペンで書きやすい厚い紙を使うべきだ。” 黒田は、厚い紙を100枚きっちり使ってノートを作り始めた。 当然、そのノートは他社製品より高い値段をつけざるを得なかった。 周りからは、”そんな高い値段じゃ売れないよ””薄くして同じ値段にしたほうがいい”と アドバイスをもらうが、黒田は頑として聞かず、ノートを売り出した。 ノートは。。。売れなかった。 ところが、一度でもそのノートを使った人は、黒田のノートのよさを理解してくれ リピーターとなり、じわじわと売り上げは伸びていった。 そして、不正が当たり前の業界の常識を覆した。 顧客は、だまされて安物を買うより、高くても価値のある黒田のノートを選んだのだった。 黒田善太郎の言葉。 ”商売の利益と言うものは、追求するものではない。 利益は、その事業が社会に貢献することによって、社会から与えられる報酬である。” お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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