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2008.11.18
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以前。ブログで、トリンプ元社長の吉越浩一郎さんの話を書いた。



日本で三流ブランドだったトリンプを、一流ブランドに育てた男。





そして、いま、ワコールを創業した立石泰則の本を読んでいる。



読むきっかけとなったのは。。。





私は、アメリカの百貨店、ノードストローム百貨店が大好きなんです。



むかし、どうしてもノードストロームの接客を”生”でみたくて、



それだけの理由でアメリカへ行ったことがあります。




ノードストローム百貨店には数々の伝説があります。



カリフォルニアの住民に、町がアンケートを取ったそうです。



”今、町に必要なものを教えてください? ”というものです。





町としては、


道路の整備、図書館の充実、などの公共施設への回答を期待していたですが。。。




住民達が、一番、町にほしいものの第一位にあげたのは。。。




”ノードストローム百貨店”




その理由が、またすごい。



”買い物がしたいから”という意見は少なく、




実際に多かったものは、



”人間性が豊かになる。”



”治安がよくなる”



”町の格が向上する。”という理由が多かったそうです。




前置きが長くなりました。



じつは、日本のワコールは、アメリカでも頑張っている会社です。



トヨタやソニーだけではないんです。



ノードストローム百貨店では、表彰式があります。



”パートナー・イン・エクセレンス賞”というものです。



この賞は、ノードストローム社の取引先、3万3千社ある仕入先の中から、




”もっとも優秀なメーカー”として評価された企業に与えられるもので、


ワコールを含めて、受賞したのはわずか4社だったんです。


ワコールが選ばれた理由は、



品質、価格、販売員への教育、情報提供、


コンサルティング販売力、クレーム処理力などの様々な分野で評価されたからだった。




アメリカの人々から、


接客がずば抜けてすばらしい百貨店といわれているノードストロームから、


接客がすばらしいといわれた、米国ワコールがそこにはあった。





ワコールがアメリカに進出した当初。。。



ワコールの製品は売れなかった。



和服の国の会社が洋装下着を持って、洋装下着の本家へ売りに行くのだから当たり前だった。



カリフォルニアの寿司屋が、日本で寿司屋をやるようなものだ。



うまくいくはずがない。



ワコールはアメリカで巨額の赤字を垂れ流し続けたのだった。



さすがに、アメリカワコールをいつまでも放置してゆくわけには行かなかった。


ワコール社内では、社長の塚本への不満が山積していた。


日本で血のにじむ思いで稼いだ利益を、社長の道楽でアメリカで浪費していると


社員達は、影でうわしていた。



とうとうワコールの財務担当責任者の中村が塚本に詰め寄った。



”もう止めましょう。”






すると、塚本は。。。






”日本のワコールの全利益をつぎ込んでも、これはわしの夢なんだから、やるんや。”





後に、ワコールの財務責任者の中村は振り返って、



”普通の経営者なら、自分がもう止めようと言い出しても、ちっとも不思議じゃないような



 状態やったんやわ。全社員の批判の中で、一人でそれに耐えきったわけだから、立派だよ。



 現地の人だって、会長がフラフラしていたら、彼らだってフラフラつきよるからね。



 会長もがんばってはるから、現地の人間も付いてきたんだ。”





実に胆力のある経営者である。




その塚本、実はインパールの生き残りだった。




強いわけである。


                                     つづく





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Last updated  2008.12.02 10:27:09
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