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カテゴリ:ピーター・F・ドラッカー
先ほど、セコム創業者の飯田さんのブログへの
コメントに対して。。。 ”じゃあどういう形で貢献すればいいのだろう????” お答えいたします。 ドラッカーの話を一つ紹介いたします。 ドラッカーは、あたらしい産業が生まれるプロセスについて話しています。 ”伝統的な業種、業界にたいして、別の業種と思われていた業種が入り込み 突然変異を引き起こすことにより、あらたなマーケットが創造される。” もっと分かりやすい事例を紹介いたします。 介護タクシーという業種があります。 最初に考え出したのは、 福岡県のメディスというタクシー会社です。 メディスの経営者は。。。 体の弱い高齢者や障害者を対象にホームヘルパーの資格を持ったタクシー運転手が 対応しサービスする介護タクシーを考えました。 ふつうタクシーというものは、 ”車に人を乗せて目的地まで運び、お金を頂く”だけのものでした。 メディスの経営者は、 あるとき病院の前でタクシーから降りた老人が、 よろよろと病院へ行く姿を見て、”不安”に思った。 ドラッカーはいう。 ヒトは”不安”を解決するためなら”お金”を出すことをいとわない。 そう、福岡のひとりの男が ”タクシーから降りた後も、外でお客様を手助けできないものだろうか。。。” ということを思った。 その瞬間、あたらしいマーケットが生まれました。 メディスの経営者は、介護プラス乗車時間(30分)のパック運賃を考えた。 2100円に設定した。 パック料金の90%を介護保険でカバーする方法で 利用者に安く提供できる仕組みを考え付きました。 当然、霞ヶ関が怒り出しました。霞ヶ関は変化は許しません! ”料金メーター通り、正規の運賃を徴収しなさい。” ”パック運賃など認められない!” と、運輸省が怒りました。 さらに、こんどは厚生労働省からも。。。 ”介護タクシー業者は、介護保険で定める”指定訪問介護事業者”には当てはまらない! と怒った。 で、2008年の現在は、どうなったか。 介護タクシーは立派な産業として認知されております。 それは、 2003年、4月に介護報酬改定によって、介護タクシーは訪問介護の一つとして 国からお墨付きをもらうことが出来たからです。 訪問介護の中に、”乗降介護”という介護タクシー向けの区分が出来たのでした。 いつの時代も、時間はかかるかもしれませんが、正道は必ず勝ちます。 既存のタクシー会社が、道路交通法の改正により、タクシー業者の登録が増え、 値段競争の渦の中に飲み込まれて疲弊してゆく中で。。。 あたらしいマーケットが生まれたのでした。 ”高齢化社会へ向かう日本””弱者救済” このキーワードと”昔からあるタクシー”を くっつけることにより生まれたビジネス。 これが”社会への貢献”と”商売の利益”の両立した一つの形だと考えます。 どうでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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