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カテゴリ:カフェ感
昨日、書いた日記。 クボタ機械の三木さんの話をもっと具体的に、というお話を頂戴しましたので。。。 三木さんの、 2004年の頃の話を一つ。 当時、クボタは急成長するアジア市場向けのコンバインを開発中でした。 中国の蘇州といういところにコンバインと田植え機を生産する工場を建設中だった。 ところが、このとき、 (株)クボタは、大きな壁にぶつかっていた。 肝心のコンバインの開発コストが現地の市場価格の倍近くになっていた。 とても採算が合わず、生産の見込みが立たない状況だった。 どんなに伸び盛りのアジアマーケットとはいえ、 どんなに性能がすぐれたコンバインとはいえ。。。 ”安くなければ売れない”。 そこで、さっそくクボタの経営幹部から、三木さんのところへ 開発中の中国向けコンバインの試作機の技術指導をしてくれとの依頼がはいる。 三木は現場に向かうと、 さっそく開発中の試作機の図面を見せてもらう。 そのコンバインは、海外で多いインディカ米(お米の粒が長~い)に対応する、 稲穂を茎ごと刈り取って脱穀(だっこく)する直流方式のもので、 刈り取り幅も2メートルになる大型のものだった。 三木は、 コンバインの開発者から、商品コンセプトや各部品の機能や品質を聞いてゆく。 三木は思った。 ”な~んで、こんなにゴチャゴチャと部品が多く、ムダが多いのか?” 三木は、設計担当者に改善点を提案し、いっしょに解決策を考えてゆく。 部品の材料や加工工程、そこにかかる力を検討しながら、 ぎりぎりのコストダウンが出来るまで設計を練り(ねり)直す。 そして、図面を前に彼らに、それをひとつひとつアドバイスしてゆく。 すると、そんななか、 素直に、三木の提案を受け入れてくれない開発者が現れます。 コンバインチーム、”生え抜き”の技術者でした。 彼は、コストウエイトの大きいトランスミッション部の開発担当者でした。 なぜ、 彼は提案を受け入れてくれないのか? それは、つまり、 しっかりとした知識と自信と責任感を持っていることの裏返しなんですよ。 つまり、デキル人間ほど、はじめは頑な(かたくな)なものなんです。 テレビドラマと同じように。。。 彼は、 潜在能力は高いのですが、 固定概念から出られず、 過去のやり方に固執しておりました。 三木は、課題が浮上するたびに、基本的な材料や加工の仕方、コストの読み方などを 辛抱強く教えてゆきました。 そして、 やがて、ミッション部の図面を指導してゆくなかで、 大きな壁にぶつかった。 三木は、ミッション部の外側に点線で囲まれた空白部分が二つあることに気づいた。 三木は不審に思い尋ねた。。。 生え抜きの彼は、 ”それは油圧バルブユニットで、外注の専門メーカーが設計する手はずになってます。” といった。 どうやら、その部分については、以前から。。。まかせっきりだったようだ。 さっそく三木は、その外注メーカーを呼んで、彼も同席させ話を聞いた。 すると。。。 コスト削減するには、程遠いことがわかった。。。 。。。もっとも、 製品の大事な部分を外注にまかせたままで、 めざましいコストダウンができるはずもなかったんですよ。 三木は、生え抜きの彼に言いました。 ”油圧バルブも人任せにせずに君が書くべきだよ。” ”でないと中国で売れるようなコストダウンを実現することはできない。” ”コンバインの”全体像”を開発者自信の手で書くことが不可欠だ。” 彼はいった。 ”油圧バルブなど、いままでやったことないです。” 頑強に拒んだ(こばんだ)。 三木は、あきらめないで言います。 ”あなたが図面を起こせるようになるまで教えるから、いっしょに取り組もう!” そして、 ついに生え抜きの彼は納得した。 いよいよ油圧バルブユニットも自前でつくることになった。 しかし、 三木は、 じつは、 このとき、 油圧バブルユニットというものがどんなものなのか、いまひとつよく分かっていなかった。 そこで、 油圧バルブユニットの参考になりそうな図面を調達しゼロから考えはじめたのだった。 そして、三木がユニットの簡単な絵を書いて彼に説明してゆくと。。。。 彼は、身を乗り出してきた。 そして、やる気になった彼は、休みもとらずに図面を書いていった。 すると、 いろいろと見えてきた。 実際に、外注先メーカーが用意してきた油圧バルブユニットは、 どうやら別の機械で使われていたものの流用品で、 コンバインには不要な部品がたくさんあり、 構造的にもムダが多かった。 そうして、 コツコツと、ムダをそぎ落としていったところ。。。 自前で作り込んでいった油圧バルブユニットは、 当初の計画よりも、 体積で四分の一程度まで縮小できてしまった。 結果、 部品数で、60パーセント削減 コストは半分になってしまった。 さらに、 ムダをなくしたことによって、 機能、性能は現行機をはるかに上回る高い品質の油圧ユニットが完成してしまった。 三木は言います。 ”いくらIT化を進めても、 ”いくら海外に生産拠点を移しても、 ”やり方を変えなかったら、結局、ムダの拡大再生産になるだけなんですよ。” 今朝、ニュースを見ていたら。。。 いよいよ、 WBC侍ジャパンが今日、韓国と試合らしい。 レポーターが。。。 イチローにインタビューしていた。。。 レポーター ” いよいよ韓国戦ですね♪ ” イチロー ” 知ってます。 ” 。。。。。。。。。。。。。 。。。レポーターさんの質問。。。 球場の外にいるファンに聞く質問内容と、 イチローに聞く質問内容が同じだった。。。 なのに、 堂々と、 その内容のないインタビューを放送してしまう わたしの家のアナログテレビ。。。 いま、 まさに、 先行している、おおきなモノがブロイラー化していると思った。 それは、つまり、 大きなビジネスチャンスの中に、いま、私たちはいるということ。 ワクワクせずにはいられない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.18 08:33:49
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