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カテゴリ:松下幸之助
以前、 京セラ、創業者の稲盛さんの若い頃の話をこのブログに書いたことがあった。 それは、松下電器との取引において、徹底的にコスト意識を鍛えられ、 そのおかげで、京セラを強靭な会社に育て上げることができた。という内容の話だった。 その京セラを育てた松下電気。 その松下電器も、また、京セラと同じように育てられたのだった。 その育ててくれた相手とは。。。 ”乾いた雑巾(ぞうきん)をしぼって水をだす会社”との異名を持つトヨタ自動車だった。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 ここは、 1964年(昭和39年)松下電器、名古屋営業所。。。 営業所長は。。。 ある小さな金額の相違にクビをかしげた。 ”なんでだろう。。。おかしいなぁ~” 所長が首をかしげる理由は。。。 毎月、車用のラジオなどの商品を納品している 得意先のトヨタ自動車からの入金額が、請求した金額より ほんのわずかだが少なかったからだ。 松下電器所長は、トヨタに問い合わせた。 ”トヨタさん、この金額はどういうことでしょうか?” するとトヨタ自動車の担当者はこう答えたのだった。 ”松下さん、それは電話代ですよ。” 。。。どういう意味かというと、 当然、商品を最初に注文する電話代は、もちろんトヨタが負担する。 しかし、商品に欠陥があったり、納期が遅れたことによる催促(さいそく)の 電話代については、松下電器側の負担になるはずだ。という考え方。 つまり、その分を差し引かせていただいた。ということだった。 この話を営業所長から報告を受けた幸之助は感動した。 ”さすが、トヨタさんやな。それは当然や ” 幸之助は、相手の責任というものは正当に追求して自覚を与える。という トヨタ自動車の姿勢に感動したのだった。 じつは、この考え方、トヨタ自動車にかぎった話ではない。 たとえば老舗の大企業、三菱重工業などにおいても同じ考え方なのだ。 たとえば、納めた製品のうち5パーセントが不良品だったとする。 その場合、残りの95パーセントは代金を支払ってくれるのか?というと、 そうではないんです。 その ”不良品比率”に応じて一定の金額を差し引いた金額が、 支払われることになるのです。 そして、 その差し引いた金額は、集金係などには言わないのです。 直接、担当部署のトップに連絡してくるのです。 なぜ、そこまで徹底的にするのか? それは、支払額を差し引くことが目的ではないからです。 いいものが、いつも、100パーセント確実に納品していただくことが目的だからです。 このきびしさは、じつは、真のやさしさなんです。 だから、こそ、現在、日本の工業製品の品質の高さは世界一となり、 国土も狭く、資源もほとんどないにもかかわらず、 先進国として世界から認められている所以なんです。 。。。この話を、”弱い者いじめ”と受け取る人もいると思います。 しかし、 そのきびしい壁を乗り越えたものだけに、 世界は、ほほえみかけてくれるものなのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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